概要

自閉の翻訳家 ニキリンコ氏と作家 藤家寛子氏が今こそ語る独特の身体感覚と世界観。読む人が増えれば、理解の輪が広がる一冊。

本書は自閉の当事者が自身の体験を交えながら自閉症について説明しています。
自閉症を知らない人は自閉症を理解する手助けに、専門家の方は教科書上の用語が具体例として理解できます。

文章は著者と編集者の対談形式として進んでいくため、堅苦しくなくさくさく読み進めることができます。

自閉は「身体障害でもある」!?

中でも、特に興味深かった内容は「自閉は身体障害でもある」と書かれていたことです。

表題でこの言葉だけみたときは「?」と思いましたが、読み進めていくと、納得です。

自閉症者は特有の感覚の障害があるのですが、それが身体操作にまで影響を及ぼすとの内容でした。

例えば、歩くときは常に「右足、左足、右足、左足・・・」と足を意識して動かさないと歩くことができない。
しかし、足を動かすことに全神経を集中させているので、周りの景色に気を配っている余裕がなく、目的地を通り過ぎてしまうことがしばしばなんだとか・・・

さらに、コタツに足を入れると「足がなくなってしまう!」みたいなんです。
なぜなら「見えないものは、ない」という感覚(?)らしく、コタツに足を入れると、見えなくなるために足がなくなってしまうようなのです。

そして、コタツから出るときはコタツ布団をめくって、自分の足があることを確認してからじゃないと、足を抜けないらしい。

また同じように、背中は見えないからパーカーのフードがどこかにひっかかりでもしたら、急に動けなくなってしまったり、自分にはお尻がないからイスに座れないとか。

この本を読むまでこのような独特の感覚を持っているなんて全く知りませんでした。

感想の声

  • 対談形式になっているのですんなり理解できます。
  • 当事者の方から具体的なエピソードを聞き出して話が進んでいくこの本は、まさに目からうろこが落ちるように感じる部分が多く、とにかく分かりやすいです。
  • 自閉症がらみの本はいくつか読んでいますが、読みやすさ&所要時間のお手軽さでいうとナンバーワンです。
  • 自閉症でない人が自閉症を理解するのに、気軽に読めて正確な一冊だと思います。
  • 身体機能の特性について書かれており、とても新鮮でした。

まとめ

他の専門書にはない独自の視点で自閉症について書かれています。
手軽にそして面白く読むことができ、自閉症の理解を深めるのにとても役に立つ一冊です!

この記事の投稿者

宮崎 関大
宮崎 関大
STナビ管理人。言語聴覚士。