ヒトの耳は、耳の穴から鼓膜までの外耳、鼓膜の奥の空間の中耳、さらに奥にあるカタツムリのような形の内耳の3つの構造に分かれています。中耳と内耳の間には、前庭窓と蝸牛窓という2つの窓があり、このうちの前庭窓を通って内耳に音が届きます。そして、内耳に満たされている外リンパ液を振動させ、神経を経由して脳に伝わります。

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外リンパろうとは、内耳に強い外力が生じて前庭窓破裂又は蝸牛窓破裂が起こり、中耳内に外リンパ液が漏れ出た状態をいいます。
重い物を持ち上げる、トイレでいきむ、海に潜る、頭部外傷、鼓膜外傷など、髄液圧や中耳圧が急激に上昇する場合に起こることがあります。

症状

急激に起こるぐるぐる回る回転性めまいと、めまいに伴って難聴,耳鳴りなどが生じます。めまいはだんだんと強くなる場合や、良くなったり悪くなったりを繰り返す場合があります。難聴は数日かけて進行することが多く、水の流れる音に似た耳鳴りが聞こえる人もいます。

突発性難聴やメニエール病などの症状と似ており、誤診されやすい病気です。また手術で外リンパ液の漏出を確認することが外リンパろうの確定診断であることから、術前の診断が難しい場合もあります。

原因

重い物を持ち上げる、トイレで力む、海に潜る、頭部外傷、鼓膜外傷など、髄液圧や中耳圧が急激に上昇する場合に起こります。

典型的なのは、鼻を強くかんだときに「ポン」という音が聞こえて難聴が発症する、という鼻かみ型外リンパろうです。この場合は、中耳内の圧力が急激に高まり、前庭窓や蝸牛窓に穴が開いてしまうと考えられています。鼻かみ以外にもくしゃみや咳、重い物を持ち上げる、トイレで力むなどの日常動作で起こります。

他にも、飛行機の離着陸やスキューバダイビングなどでの気圧の変化、交通事故や転倒による頭部外傷、平手打ちなどによる外傷性外リンパろうがあります。また、耳掃除中に耳かきで直接傷をつけてしまうケースもあります。

治療

安静

前庭窓や蝸牛窓に開いた穴は、安静を保てば自然に閉鎖する可能性があります。入院し、頭を少し高くした状態(30度挙上)で数日間様子をみます。入院安静で効果がない場合は、外科的治療を行います。

外科的治療

穴を閉鎖する外リンパろう閉鎖術を行います。リンパ液の漏れが停止すれば、めまいは急速に消失します。ただし、難聴や耳鳴りは改善しない場合も多いです。

この記事の投稿者

宮崎 関大
宮崎 関大
STナビ管理人。言語聴覚士。