耳あな型?耳かけ型?補聴器の種類と選び方を説明

聴覚障害

補聴器はポケット型や耳かけ型、耳あな型など様々な形状があり、また、機種ごとに聞こえ具合も違ってきます。
ここでは、多くの種類の中からご自分に合う補聴器を探すコツをご説明します。

形状から選ぶ

補聴器は、ポケット型、耳かけ型、耳あな型の3つの種類がメインで展開されています。まずは、ご自分のライフスタイルにとって、どの形状の補聴器が適しているか考えていきます。

選び方の例
20代社会人。難聴は軽度。
営業先での仕事や電話対応も行う。仕事中に邪魔にならないものを希望。
→ 耳あな型or耳かけ型
40代主婦。難聴は中等度。
補聴器が目立つのを気にしない。アクセサリーのようにオシャレなものを希望。
→ 耳かけ型
60代。難聴は高度。
セカンドライフとして趣味のゴルフに凝っている。運動時も安定するものを希望。
→ 耳あな型or耳かけ型
80代。難聴は高度。
外出はあまりせず、家族との会話が楽しみ。手先が思うように動かないので、簡単なものを希望。
→ ポケット型

聞こえ具合で選ぶ

難聴になった時期や聞こえない期間などによって、聞こえ具合は人それぞれ異なります。また、普段の生活環境もそれぞれ異なります。

家の中で家族との会話に使いたい方、仕事の商談や会議で使いたい方、学校の授業で使いたい方、子育て中で子どもの声を聞きたい方など、使いたい環境は人それぞれです。補聴器は万能ではありません。全ての聞こえを元通りにすることは難しいです。まずは、使いたい環境を店員に伝えて、相談しながら聞こえ具合に合った補聴器を見つけていきましょう。

また、人はそれぞれ味の好みがあるように、実は音にも好みがあります。補聴器には多くのメーカーがあり、音質もメーカーごとに異なります。自分の好みの音質のメーカーを見つけることも長く補聴器を使用するうえでは大切です。

機能で選ぶ

近年は、補聴器の技術進歩により実に様々な機能を追加することができました。

補聴器機能の一例
騒音抑制機能 全体の音の中から、騒音と判断される成分の増幅を抑えることで、相対的に音声の聴き取りやすさを向上させる。
指向性 騒音下で正面方向からの会話を聞き取りやすくする。
チャンネル 補聴器が対応する周波数帯域内で音をきめ細かく調整できる度合いを表す。(例4ch、12ch、36chなど)
プログラム 必要に応じて、あらかじめ設定しておいた補聴器の音の調整に切り替える。(普段用、テレビ用、電話用など)
ハウリング抑制 ハウリング(不快な音漏れ・ピーピー音)を防止する。
ナノコーティング 特殊表面加工で、水・汗・油・ホコリ等から補聴器を守る。
Bluetooth スマートフォンやデジタルオーディオ機器とBluetoothで連携する。
ハウリング抑制 ハウリング(不快な音漏れ・ピーピー音)を防止する。

上記の機能はあくまで一例であり、もっと多くの機能があります。また、例として挙げた機能にも段階があり、上位機種ほどできることが多くなってきます(例えば、チャンネル数。下位機種は4chや8ch、上位機種は36chと周波数ごとの調整の幅が広がる)。

補聴器の値段は、機能の多さにより決まります。上位機種ほど機能が充実し、できることも多くなってきます。したがって、値段も高めになります。

ですが、誤解しないでいただきたいことは、高価な機種ほど良く聞こえるようになるわけではないということです。もちろん機能が良くなるほど、環境によっては聞こえ具合に差が生じてきます。しかし、ご家庭の静かな環境で使用する方に強力な騒音抑制や指向性は必要ですか?高齢で携帯電話を持たない方にBluetoothは必要ですか?耳栓の調整でハウリングが対処できる方に強力なハウリング抑制機能は必要ですか?

補聴器は値段ではありません。下位・中位機種で十分な方もいれば、やはり上位機種でないと生活に不便を感じる方もいます。ご自分に必要な機能をよく理解することが大切です。

必ず試聴を

選び方を説明しましたが、やはり試聴してみなければご自分に合っているかどうかは、わかりません。
必ず試聴して、聞こえ具合を確かめてください。1日で決まらなければ2度、3度と店舗を訪れてください。店舗によっては、レンタルしてくれるところもあります。

補聴器は決して安価な買い物ではありません。

「とりあえず高い補聴器を買ってみたけど、効果がない。」
「ふと立ち寄った店で使ってみて良かったから買ったけど、家ではガーガーして使っていない。」
「いろいろ試したかったけど、気が引けてできなかった。違うものも試せばよかった。」

上記のような補聴器選びの失敗談はよく聞きます。補聴器選びに失敗しないためにも、焦って決断せず、じっくり考えることが大切です。

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