耳鳴りや耳閉感(耳の詰まった感じ)、難聴を伴う回転性めまい発作があらわれる病気です。女性にやや多く、30歳~50歳に多く見られます。また、病気にかかる患者の9割が片耳に症状がみられます。

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症状

主な症状は、回転性のめまい発作、耳閉感(耳の詰まった感じ)、耳鳴り、聴覚過敏、低音障害型感音性難聴です。めまいが激しい場合は吐き気、嘔吐を伴うこともあります。また、めまいは数十分~数時間続き、めまいを繰り返すうちに耳の症状は悪化する傾向にあります。早期に適切な治療を行わなければ、耳鳴りや感音性難聴が残るようになります。

感音性難聴は、低い音が特に聞こえにくくなる低音障害型が見られ、メニエール病が進行すると高音も障害されてきます。

原因

内耳のリンパ液が通常より増えすぎる(内リンパ水腫)ために、聴覚野平衡感覚に狂いが生じて耳鳴りや難聴、めまいが起こると考えられています。しかし、内リンパ水腫が起こる原因はいまだに判明していません。

治療

薬物療法

内耳の状態を改善する薬として高浸透圧利尿剤、内耳の循環障害や神経機能の改善には循環薬やビタミン薬が用いられます。

めまいの発作中であれば安静、点滴、抗めまい薬などを施します。難聴に対してはステロイド薬を使うことがあります。また、メニエール病はストレスが関与することが多いため、ストレスコントロールに抗不安薬が処方されることもあります。食事指導や平衡器官の改善を目標としたリハビリテーションも有効となります。

外科的治療(手術)

薬物治療では効果がなく、社会生活に支障をきたしたり、急激な聴力の低下がみられる場合は、外科的治療も考慮されます。増えすぎた内リンパ液を排出する方法や前庭神経を切断しめまいの情報をシャットアウトしてしまう方法などがあります。

検査

聴力検査

防音室に入って耳に装置を当て、音が聴こえたらスイッチを押します。低音域から高音域まできちんと聴こえているかが検査できます。

立ち直り検査

両足直立、片足直立、さらに前後へ足を出し、つま先とかかとをつけて立つ直立の姿勢を、目を開けた状態と閉じた状態でそれぞれ検査します。内耳に障害がある場合は、目を閉じている際に不安定になります。脳に原因がある場合は、目を閉じていても開けていてもフラフラします。

足踏み検査

目を閉じて50歩~100歩、その場で足踏みをします。片側の内耳に問題がある場合、悪い耳の方へ回転していきます。両内耳、あるいは小脳の機能に障害があれば後ろ側に倒れたり、歩幅が広くなったりします。

眼振検査

顔に近づけたペンなどを目で追いかけてもらい、不自然な目の揺れや動きがないかどうかを調べます。

頭位眼振検査

フレンツェル眼鏡という内部に電球がついた凸レンズの眼鏡を使って眼球の動きをみます。

グリセロール検査

利尿作用のあるグリセロールを点滴し、点滴前と後で聴力が変化するかを検査します。内リンパ水腫があると、前後で数値が変わります。

診断基準

メニエール病の診断は厚生労働省が作成した基準をもとに行われます。ここでは簡易版は掲載します。

I.メニエール病確実例
難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する。

II.メニエール病非定型例
下記の症候を示す症例をメニエール病非定型例と診断する。

1.メニエール病非定型例(蝸牛型)
聴覚症状の増悪・軽快を反復するが、めまい発作を伴わない。

2.メニエール病非定型例(前庭型)
メニエール病確実例に類似しためまい発作を反復する。一側または両側の難聴などの聴覚症状を合併している場合があるが、この聴覚症状は固定性で、めまい発作に関連して変動することはない。

この病型の診断には、めまい発作の反復の状況を慎重に評価し、内リンパ水腫による反復性めまいの可能性が高いと判断された場合にメニエール病非定型例(前庭型)と診断すべきである。

[診断に当たっての注意事項]
この病型は内リンパ水腫以外の病態による反復性のめまい症との鑑別が困難な場合が多い。めまい発作の反復の状況を慎重に評価し、内リンパ水腫による反復性めまいの可能性が高いと判断された場合にメニエール病非定型例(前庭型)と診断すべきである。

[除外診断]
メニエール病確実例、非定型例の診断に当たっては、メニエール病と同様の症状を呈する外リンパ瘻、内耳梅毒、聴神経腫瘍などの内耳・後迷路性疾患、小脳、脳幹を中心とした中枢性疾患など原因既知の疾患を除外する必要がある。

※ メニエール病診療ガイドライン2011年度版 厚生労働省難治性疾患克服研究事業 前庭機能異常に関する調査研究班(2008~2010年度)/編より