補聴器とは

補聴器とは、「マイクロホン」で周囲の音を集めて、「アンプ」で音を増幅し、「レシーバー(スピーカー)」で音を発声される機器のことです。つまり、入ってきた音を大きくして耳に伝える機器です。

ひと昔前の補聴器は、音を一律に大きくしていたため、『雑音がうるさい』、『頭にキンキン響く』等の悩みがありましたが、最近の補聴器はデジタル化により技術が向上し、キンキン響く不快な音を抑制する機能や周波数毎に増幅率を変更し雑音は小さいが会話はしっかり聞こえる等の音の調整が可能になりました。また、補聴器の形状も多様になり、様々なニーズに対応できるようになりました。

タイプの説明

ポケット型

四角い本体にコードが付属したラジオのような見た目の補聴器です。主にポケットに入れたり、ストラップを着けて首から下げて使用します。

本体が大きいので扱いやすく、強力なアンプを組み込めるので、高出力が得られます。また、単3電池又は単4電池を使用するので、経済的な負担が軽いです。しかし、大きい分持ち運びが不便で、コードが邪魔になりやすいことがあります。

特徴

  • 操作が簡単
  • 持ち運びに不便
  • 経済的な負担が軽い
  • 高度~重度難聴者に対応可能

pocket

耳かけ型

耳の後ろに掛けて使用する補聴器です。本体が小さく、装着時は電源やボリュームのスイッチが自分では見えない位置にあるため、扱いが多少難しくなります。耳の後ろに掛かるため多少目立ちにくくなります。しかし、ハウリング(ピーピー音)が起こりやすく、耳栓や音の調整等の工夫が必要な場合があります。電池はボタン型の空気電池を使用します。

また、耳かけ型は様々な種類があり、若干大きめだが、高出力が得られるものや、掛けてるのもわからないくらい軽いもの、耳栓による外耳道内のこもり感を軽減するために穴の空いた耳栓を用いるオープンフィットと呼ばれるものなど、ニーズに合わせて実に多様です。

特徴

  • 操作が多少難しい
  • 多少目立ちにくい
  • ハウリングが起こりやすい
  • 多様な種類から選べる
  • 軽度~重度難聴者に対応可能

mimikake

耳あな型

耳のなか(外耳道の入口)にすっぽり入る大きさの補聴器です。本体がとても小さいため、装着してもほとんど目立ちません。しかし、その分、ボリュームなどのスイッチ類がない、電池は小さい、出力はあまり出せないなどの制限があります。また、ハウリング(ピーピー音)が起こりやすく、それを止めるためにオーダーメイドで補聴器を作ることもあります。

特徴

  • ほとんど目立たない
  • 電池のサイクルが早い
  • ハウリングが起こりやすい
  • 軽度~中等度難聴者に対応可能

mimiana

ハウリングとは

ハウリングの原理

ハウリングとは、耳栓が耳の穴にぴったりと納まっていないために、耳と耳栓の隙間から「ピーピー」と音が漏れてしまう現象です。

ハウリングを防ぐには、補聴器の音の調整を変えたり、ハウリング抑制機能の付いた補聴器を使ったり、いくつか方法がありますが、一番有効なのは耳のあなぴったりにオーダーメイドの耳栓(イヤモールド)を作製することです。

howling

イヤモールドによる予防

イヤモールドは耳のあなぴったりに作製するオーダーメイドの耳栓のことです。これを作製することによりハウリングの防止のほかに、補聴器が外れにくくなり耳からの落下を予防します。しかし、欠点もあり、耳のあなぴったりに作製するため、通気性が悪くなり、外耳炎や中耳炎を起こしている方の場合は炎症が悪化してしまう恐れがあります。また、耳のこもり感がよりはっきりしてしまう場合があります。

※ イヤモールドは、耳栓を使用するポケット型、耳かけ型の場合に作製します。耳あな型の場合は、補聴器自体をオーダーメイドで作製できるので使用しません。

earmold

フィッティングとは

音の聴こえ方は、一人ひとり難聴の状態や音への感度、好き嫌い等の違いがあり、それぞれ異なります。なので、補聴器を使用する場合も、使用者一人ひとりの聴こえの状態に合わせて音を調整していきます。この使用者に合わせて補聴器の音を調整する過程をフィッティングといいます。

このフィッティングでは、使用する場面や会話をする相手、普段気になる音などを補聴器屋さんと相談しながら理想の聴こえを目指していきます。

補聴器を効果的に使う

すぐには効果がでない?

補聴器は買ってすぐに快適に使いこなせる訳ではありません。いままでは自分の耳で聞いていた音が、今後は補聴器から出る音を聞くことになるので、「音のイメージ」が若干異なって聞こえてくることになります。

その「音のイメージ」を無理なく修正できる人は補聴器を比較的早く使いこなせるようになりますので、毎日の生活の中で少しずつ慣らしながら自分に合ったものにしていきましょう。

補聴器になれる方法

補聴器は毎日の生活の中で使い続けながら調整を重ねることで少しずつ慣れていき、ほんとうに自分に合ったものになっていきます。当然、今まで聞こえていなかったいろいろな音が聞こえてくるので、最初は違和感を覚えますが、だんだんと気にならなくなっていきます。

買い始めは5~10分くらい着けてみて、1時間、半日、1日とどんどん着ける時間を延ばしていってみましょう。

 購入後1~2週間

まずは、家の静かななかで使ってみましょう。

家のなかには生活音がたくさんあふれています。最初は静かななかでの補聴器からの音を聞き、慣れてきたら、新聞を声を出して読んで自分の声を確かめてみてください。

いきなり多くの音を入れてしまうと、うっとうしく使用をやめてしまう人もいます。少しずつで良いので、聞く音を増やしていき、「音のイメージ」を覚えていってみてください。

購入後3~4週間

テレビの音を聞いたり、家族と会話をしたりしてみましょう。

テレビは始めのうちはニュースや天気予報などが良いです。また、家族との会話も始めのうちは1対1の会話にしましょう。

いろいろな音に慣れてきたら、外の音も聞いてみましょう。

外には風の吹く音や犬の鳴き声、車の通る音などたくさんの音にあふれています。たくさんの音に触れてみて、聞きづらくないか、頭に響かないかなど、確かめていきましょう。

フィッティングも大事

補聴器の音に慣れることも大事ですが、頭にガンガンするように音や大きすぎる音が入ってしまう場合などは購入したお店で調整してもらいましょう。

気になる音や聞きづらい音があったらメモに取っておくとフィッティングの際に店員さんに伝わりやすいです。使いづらいものを無理に使おうとしても、効果は出ません。「慣れ」と「我慢」は別なので定期的にフィッティングに足を運んで、自分に合う音を目指していきましょう。

福祉制度の利用

補聴器は、障害者総合支援法による補装具費支給制度の対象です。身体障害者手帳の聴覚障害等級を取得されている方は補聴器購入に際して助成金の申請ができます。詳しくはお住まいの市区町村障害福祉担当課にお問い合わせください。

※こちらのページも併せてご覧ください。
補聴器の福祉制度の利用

この記事の投稿者

宮崎 関大
宮崎 関大
STナビ管理人。言語聴覚士。