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遺伝性難聴

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遺伝性難聴とは

遺伝性難聴とは、家族間に発症する遺伝子の変異による難聴を指します。遺伝性難聴の発症頻度は1000人に1人と報告されており、難聴だけを症状とする非症候群性難聴と難聴の他に眼疾患、腎疾患などを伴った症候群性難聴があります。出現頻度としては、非症候群性難聴が70%と大部分を占め、症候群性難聴は出現頻度は多くありません。

難聴の発現時期は、先天的に出現するものもありますが、むしろ、生後、幼少期、成人後になって出現するものも少なくありません。さまざまな外因に対して難聴になりやすい体質の遺伝もあります。

遺伝形式には、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖性劣性遺伝、ミトコンドリア遺伝子の母系遺伝があります。X連鎖性劣性遺伝では、男児にしか発症しないという特徴があり、ミトコンドリア遺伝子は母親からしか遺伝しないという特徴があります。

非症候群性難聴

原則的に両側で、しばしば90dB以上の高度難聴を示します。一見、健康な両親から散発的に生まれますが、血族結婚との関係が深いとされています。

優性遺伝、劣性遺伝、X連鎖、ミトコンドリア遺伝子を含めると非症候群性感音性難聴の原因遺伝子は、現在で18個判明しています。

難聴遺伝子の中には家族歴とは関係なく変異する遺伝子もあり、その代表的な遺伝子変異として「コネキシン26」が知られています。この遺伝子変異による難聴は、家族歴とは関係のない孤発例の先天性高度難聴の約3分の1、常染色体劣性遺伝の高度感音性難聴の約2分の1とされています。

症候群性難聴

難聴以外にも疾患を伴う症候群性の難聴です。出現頻度は非症候群性難聴よりも少ないですが、多数の疾患が発見されています。原因遺伝子が同定された症候群性難聴の一部を説明します。

Usher症候群

眼疾患に合併する難聴です。

先天性感音難聴、網膜色素変性症、進行性の前庭機能低下を伴います

Waardenburg症候群

外胚葉性あるいは色素性異常による疾患です。
先天性感音性難聴、内外角部の側方転位、虹彩異色症、白い前髪など顔面の異常を伴います。

Hunter症候群

代謝疾患に合併する難聴です。

2~4歳に発症する混合性難聴、男性のみに出現し、精神遅滞を伴います。

Freidreich病

神経疾患に合併する難聴です。

感音性難聴、進行性脊髄小脳失調症を伴う疾患で、7~10歳ころに発症します。

Alport症候群

じん臓疾患を合併する難聴です。

乳幼児期からの進行性腎不全、7~10歳頃に発症する進行性感音性難聴、白内障または高度の近視を伴います。

Jervell and Lange-Nielsen症候群

心臓疾患に合併する難聴です。

先天性感音性難聴、心電図異常を伴います。失神発作、突然死をすることもあります。

Pendred症候群

内分泌疾患に合併する難聴です。

先天性感音性難聴、小児期から思春期にかけて甲状腺腫を発症します。

Treacher-Collins症候群

おもに顔面変形を伴う疾患です。

下顎顔面骨発育不全、眼裂の外下方傾斜、耳介奇形、外耳道閉鎖、耳小骨奇形などを伴います。

Apert症候群

頭蓋骨癒着症を伴う疾患です。

尖頭、顔面奇形、合指症、精神遅滞を伴います。

Fanconi症候群

骨変化を伴う代謝障害に合併する疾患です。

生育遅延、外耳奇形、中耳奇形、ときに進行性聾、多発性尿細管欠損に伴う難治性くる病、再生不良性貧血がみられます。

原因不明の聴覚器奇形

奇形や発育不全の多くは原因不明ですが、一部に遺伝性と思われる奇形もあります。

この記事の投稿者

宮崎 関大
宮崎 関大
言語聴覚士。専門は成人聴覚障害。補聴器やコミュニケーション方法についてメインで執筆していく予定。

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