骨導補聴器のタイプと対象者

聴覚障害

私たちが普段、音を聞くときには、耳から音が入り、鼓膜を経由し、内耳、聴神経とつながっていきます。これを気導聴力と言います。この他に音を聞く経路にはもうひとつあり、耳や鼓膜を通らずに、頭蓋骨に音の振動を当てることで直接、内耳に音を響かせて聴神経につなげる経路があります。それが骨導聴力です。

骨導聴力を用いた補聴器を紹介します。

骨導補聴器の種類

骨導補聴器には、大きく分けてメガネ型、ヘッドバンド型(カチューシャ型)の2つの種類があります。

メガネ型

メガネのツルの部分が補聴器になっており、ツルの骨導端子を耳の後ろの骨(乳突部)に当てて使用します。

megane1

megane2

ヘッドバンド型(カチューシャ型)

ヘッドバンドの先端に骨導端子が接続されており、骨導端子を耳の後ろの骨(乳突部)に当てて使用します。

ヘッドバンドと骨導端子が一体型のもの、耳かけ型やポケット型を改造して使用するものがあります。

headband

対象者

骨導補聴器の有効な方は、基本的には伝音性難聴者の方になります。

なぜ伝音性難聴者かというと、伝音性難聴の場合は、外耳や中耳の音を伝える経路に問題がありますが、その奥にある内耳や聴神経は正常に機能しています。そのため、骨を経由して内耳で直接音を聞く骨導補聴器を使うと、問題のある外耳や中耳を挟まずに正常な内耳で音を聞けるため、大変補聴器の効果が高いです。

特に、通常の補聴器を扱うことが難しい小耳症、外耳道閉鎖症、耳漏が著しい方などに適している補聴器です。

※ 伝音性難聴者は音を伝える経路に問題があるため、大きな音を入れるとはっきり聞こえるようになります。なので、通常の補聴器でも高い効果が得られます。骨導補聴器は振動を伝える頭蓋骨の場所の固定が難しく、補聴器自体の選択肢も少ないため、通常の補聴器を使用できる場合は、そちらを勧めます。

骨導補聴器のメリット・デメリット

骨導式のメリット

  • 耳の穴を塞がないため違和感が少なく、自分の声がこもったりしない。
  • 中耳炎などの耳の治療中でも装用が可能。
  • 外耳道閉鎖症、小耳症など、通常の補聴器が使用できない方でも使用できる。

骨導式のデメリット

  • 種類が少なく、デザインにも限りがある。
  • 骨導端子を骨に圧着させるため、圧迫感がある。
  • 常に骨導端子が振動しているため、炎症を起こす可能性がある。
  • 両耳に装用してもあまりメリットがない。
  • 価格が高い。
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