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集音器と補聴器の違い

投稿日:2015年12月23日 更新日:

集音器と補聴器の違いとは

世の中には聞こえを補助する機器として、「集音器」と「補聴器」があります。見た目も機能も似ている製品ですが、両者の違いは何でしょうか。

補聴器は管理医療機器、集音器は家電製品

まず、補聴器から説明します。「補聴器」という製品は、販売するに当たり薬事法という法律で定められている管理医療機器に該当します。
そのため、効果や安全性などについて一定の基準をクリアする必要があり、個別の製品ごとに正式な認定を受けなければ製造販売はできないことになっています。裏を返せば、それだけ厳しい条件下で製造されており、安全性・効果が保たれているとも言えます。
また、補聴器は消費者保護の観点から、販売方法も対面販売を義務付けられております。「医療機器」と考えれば、消費者の聴こえの状態に合わせて適合させていく製品なので、対面で販売することは当然と思います。

次に、集音器の説明です。「集音器」という製品は、音を増幅するという点にあっては、補聴器と似た役割を果たします。しかし、補聴器のように聴覚器に対する安全性を示しておらず、あくまで「家電製品」として販売されています。(家電機器としての安全性は他の法律で規定されています。)
販売方法も電気屋さんの健康コーナーに置かれていたり、新聞広告やインターネットの通信販売など消費者が簡単に入手できるような方法が多く、聞こえの補助具の入門用として購入される傾向があります。

対象者による違い

集音器は聞こえの補助具の入門用とさせている傾向がありますが、それには理由があります。
消費者の視点から集音器と補聴器を比べると、目に触れる機会の多さ、価格の違い、手軽さなどいくつか違いがあります。

補聴器は対面販売の形式を取っているため、購入に当たっては多少ハードルの高さを感じるかもしれません。また、価格に関しては、補聴器は医療機器として安全性や補聴効果等を追及しているため高価な価格設定になっています。集音器は店舗に赴かなくても、ご本人でなくても購入でき、また、価格も補聴器に比べて安く抑えられています。その辺りが集音器を入門用として購入される傾向に繋がっているのではないかと思われます。

しかし、聞こえの補助具を必要としている方たちは、誰しも聞こえの程度が同じわけではありません。低い音が聞きにくい人、高い音が聞きにくい人、日常会話は問題ないが仕事中はもっと聞き取りたい人、聞こえの補助具が必要だが音が大きすぎると頭がガンガンしてしまう人など。

聞こえの程度や使う場面はその人それぞれ違ってきます。これらに対応するためには、一人一人と相談しながらその人に合った音を調整していく必要があります。補聴器はこの「音の調整」を大事にしているため、実際にお店にきてもらい、聞こえの程度や使う場面をお聞きしながらその人にとって最適な音に調整していきます。

インターネットや家電量販店などで販売されている集音器では決して真似できない細かなサービスです。

買ってからが「始まり」

補聴器屋さんの説明をきくと、「補聴器は買って終わりではありません。これからお付き合いの始まりです」というセリフをよく耳にします。

補聴器というものは、使う人それぞれに合うよう「音の調整」を行っていきます。お店で補聴器を購入して、全く問題なく使い続けられる人は意外と多くありません。それは何故かというと、「聞こえてくる音」というのは、場所によって違いがあります。

お店では良く聞こえたけど、家に帰ったらテレビの音がうるさい。仕事中に周りの機械の音が気になる。家事をしていると食器の音や掃除機の音が響く。などなど

始めて補聴器を買うときは、「補聴器から聞こえる音」に夢中で細かな音に気付かないことが少なくありません。また、お店と家、または職場とでは環境が違います。補聴器を使っていると「補聴器から聞こえる音」に慣れてきて、色々な音を聞く余裕が出てきます。そうすると、「あの音が気になる・・・」「この音をもうちょっと小さくしたいな・・・」などの要望が生まれると思います。補聴器は買って終わりではありません。気になる音があったら、是非、補聴器屋さんに相談してください。どんどん調整を繰り返して、自分の理想の「音」を探してみてください。

最後にお伝えしたい事

補聴器も集音器も聞こえの補助具としてとても有効です。使ってみると、いままで聞こえなかった音がたくさん聞こえるようになると思います。ですが、それに併せて「雑音」も聞こえるようになると思います。補聴器や集音器を使っていた方のなかには「雑音が気になり使うのをやめてしまった」という方もいます。

しかし、雑音とはいったい何でしょうか。世の中には様々な音があふれています。外には車の音、歩くときの靴の音、風の音、家の中にはテレビの音やエアコンの音、水の流れる音など。正常な聞こえの方の場合、周囲にたくさんの音があるのは普通なことです。ですが、難聴の方が補聴器をつけると、いままで聞こえていなかった周囲の音が全て聞こえてきてしまうため、うるさく感じてしまいます。これを「雑音」と呼び、いままで聞こえていなかったために気になってしまうのです。

補聴器や集音器から入ってくる音は、聞こえていたときの「音のイメージ」とは別物です。これは補聴器や集音器を着けてすぐに慣れるものではありません。ある程度時間をかけて、音の再学習をしながら慣れていく必要があります。ですが、どうしてもうるさい音や気になる音に慣れる必要はありません。補聴器は音を調整する機能が付いていますので、お店に相談してみてください。

補聴器も集音器も実際の耳にはかないません。使用することで100%元通りになるわけではありません。出来ることと出来ないことをきちんと理解して使用することが大切です。

また、補聴器と集音器は似たような製品ですが、全く別物です。購入するときは耳鼻科の先生やお店の人と相談して購入することをおススめします。

この記事の投稿者

宮崎 関大
宮崎 関大
言語聴覚士。専門は成人聴覚障害。補聴器やコミュニケーション方法についてメインで執筆していく予定。

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