耳の解剖と聞こえについて

聴覚障害

耳の解剖

mimi

外耳

耳介(がいじ)と外耳道(がいじどう)から作られます。

耳介は前後の方向感覚に役立ち、外耳道は鼓膜へ音を伝えるトンネルとしての働きをします。

中耳

鼓膜(こまく)、耳小骨(じしょうこつ)、耳管(じかん)からなります。

鼓膜は空気の振動を受けて、その振動を耳小骨に伝える役割をします。

耳小骨は鼓膜から伝えられた空気の振動を、効率良く蝸牛へ伝える役割をします。

耳管は中耳と鼻の奥をつないでいる管で、普段は閉じていますが、ごっくんやあくびのときに開いて、中耳と外の気圧を調整します。

※ 飛行機に乗ったりダイビングをしたりしたときに耳がつまった感覚になるのは、外の気圧と中耳の気圧がズレるからです。そのときにごっくんやあくびをして圧を調整します。

内耳

蝸牛(かぎゅう)とそこからつながる神経からなります。

蝸牛は耳小骨を伝ってきた振動を電気信号に換えて周波数ごとに弁別します。

そして、電気信号が神経を伝い脳まで運ばれ、音や言葉として知覚されます。

聞こえについて

音の性質

音には「高さ」、「大きさ」、「音色」の3つの要素があります。

音の高さは、音がどのくらいの速さで振動しているかを表すもので「周波数」といいます。単位はHz(ヘルツ)で表します。

人間の耳では20Hz~2万Hzまでの音を聞くことができると言われています。また、男性の基本的な声は100Hz、女性の基本的な声は200Hzほどの高さになります。

音の高さ 音の種類
85~1100 人の声の範囲
100 男性の基本周波数
200 女性の基本周波数
20~20000 人の聞こえる範囲
7000~120000 イルカの鳴き声の範囲
150~150000 イルカの聞こえる範囲
27.5 ピアノ(88鍵)の一番低い音
4186 ピアノ(88鍵)の一番高い音
440 NHKの時報(プ・プ・プ)
880 NHKの時報(ピー)

音の大きさは、空気がどのくらいの強さで振動しているかを表すもので「音圧」といいます。単位はdB(デシベル)で表します。

聞こえるもっとも小さい音を0dBとして、ささやき声の会話は40dB、普通の会話は65dB、大声の会話は80dBほどの大きさになります。

音の大きさ 音の種類
0 聞こえるもっとも小さい音
20 ささやき声
40 静かなオフィス
60 普通な会話
自動車の道路脇
80 大声の会話
繁華街
100 ガード下
120 ジェット機

音色は、音の質を表現するために用いられる言葉で、感覚的な印象が強いです。

例えば、同じ高さと強さのバイオリンとフルートの音をきいたときに、それぞれの楽器を聞き分けられたり、ある音を聞いたときに「透明な音」や「こわばった音」などの感覚的な違いを表せたりできます。

3つの要素を説明しましたが、音は空気の振動のため、反射や回折、干渉、共鳴などの物理現象が存在します。なので、これらの現象により、良く聞こえたり、逆に聞き取りにくいなどのことが起きるのです。

音は脳で判断する

音は、外耳→中耳→内耳の順に伝達され、内耳から聴神経を通って脳に伝えられます。そして、脳によって環境音なのか言語音なのか、言語音ではどういう意味のことばなのか、といった処理を行っていきます。

もしも、耳が正常でも脳に異常がある場合は、音やことばが理解できなくなってしまう場合もあります。

聞こえの発達

発達段階 特徴
0~2ヶ月
  • 突然の音にビクッとする
  • 大きな音に反応する
  • 眠っていて突然の音に眠りを覚まし、泣きだす
3~6ヶ月
  • ラジオの音、テレビの音(コマーシャルなどに)顔を向ける
  • 日常の音(玩具、テレビ音、楽器音、戸の開閉など)に興味をしめす(4ヶ月頃から)
  • お母さんの声に振り向く(4ヶ月頃から)
  • 不意の音や聞きなれない音、珍しい音にはっきり顔を向ける
7~9ヶ月
  • 外の色々な音(隣の部屋の物音、外の動物の鳴き声)に関心を示す(7ヶ月頃から)
  • 「オイデ」「バイバイ」など人の言葉におおじて行動する(9ヶ月頃より)
10~12ヶ月
  • 「ママ」「ネンネ」など人の言葉をまねていう(10ヶ月頃から)
  • 気づかれぬようにして、そっと近づき「ささやき声」で名前を呼ぶと振り向く(10ヶ月頃から)
  • 歌や音楽に合わせて体を動かして喜ぶ(11ヶ月頃から)
1歳~1歳6ヶ月
  • 意味のある言葉が出る(10ヶ月~15ヶ月)
  • 目、耳、口などの身体部位をたずねると指をさす
  • 「新聞とってきて」など、簡単な言葉による言いつけに応じて行動する
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