脳性麻痺とは、脳の損傷によって起こる中枢性の姿勢・運動の障害であり、原因や症状が重なりあい、ひとつの症候群模様を示します。

定義

日本では、「受胎から新生児(生後4週以内)までの間に生じた、脳の非進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常で、その症状は2歳までに発現する。進行性疾患や一過性運動障害、または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」と定義されています。

原因

脳性麻痺の原因は脳障害の病因発生の時期に応じて、胎生期、周産期、出生後に分けられます。

  • 胎生期
    染色体異常、ウイルス感染、先天奇形など
  • 周産期
    脳室周囲白質軟化症、頭蓋内出血、新生児仮死(無酸素性虚血性脳症)、感染、新生児けいれん、黄疸など
  • 出生後
    感染、脳血管障害、脳症、てんかんなど

合併症

脳の発達初期に何らかの原因で障害を受けているため、さまざまな合併症をもちます。
知的障害、てんかん、視覚障害、聴覚障害および視覚や聴覚などの認知発達の障害、情緒・行動障害などを二重三重に重複していることがあり、発達に大きな影響をおよぼすことがあります。

病型の分類

脳性麻痺は筋緊張異常や姿勢の違いから、痙直型、固縮型、アテトーゼ型、失調型、混合型に分類されます。

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痙直型

筋緊張が病的に高まり、関節運動に制限を生じる型で、主に片麻痺、両麻痺、四肢麻痺があらわれます。

発話の特徴は、力んだり(努力性嗄声)、ガラガラ声(粗ぞう性嗄声)だったりすること、音程が低いことが挙げられます。また、構音には歪みや音の誤りがみられます。全般的にはゆっくりで抑揚の欠けた話し方です。

固縮型

筋緊張が持続的に亢進し、他動運動に対する抵抗が鉛を曲げるように強い型です。この型のこどもは、そのほとんどが話し言葉を獲得できません。

アテトーゼ型

筋緊張の亢進と、低下が時間的、空間的に変動し、それにより不随意な運動が出現する型で、ほとんどに四肢麻痺があらわれます。

発話の特徴は、ことばが身体や精神の緊張状態に影響され、呼吸のリズムが崩れたり、声帯の安定した緊張が保てずに声が出なかったり、急に出てきたりと特異的な発声の問題がみられます。
声質は力み(努力性嗄声)、ガラガラ(粗ぞう性嗄声)、息漏れ(気息性嗄声)、弱々しい(無力性嗄声)などの声が不規則に生じます。構音は、ほとんどの音に歪みがでて、音の誤りもみられます。また、頭の音が出にくかったり、音の繰り返しがあったり、リズムやアクセントが崩れたりします。話し言葉全般に異常がみられることがあります。

失調型

主に小脳の障害に関連しており、脳の緊張が低く、バランスが悪い型で、ほとんどに四肢麻痺があらわれます。
失調型は痙直型と混合されることが多く、ときにアテトーゼ型とも混合されます。

発話の特徴は、弱々しく、声そのものが細かく揺れるように話します。大きい声を出そうとすると、力むような声質になります。構音は音の誤りが多いですが、単音ならば構音が可能です。
全般的にゆっくりとした抑揚に欠けた話し方で淡々と話します。アクセントやイントネーション、リズムは単調です。

混合型

病型が重複した場合は混合型となります。混合型の多くは痙直型とアテトーゼ型です。
混合型では、障害の程度に幅があり、知的障害やてんかんなどを合併していることが多く、発話はそれぞれの病型にみられる特徴が混在してあらわれます。