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リハビリ・医療 嚥下障害

嚥下障害にかかわる検査(VF、VE)

投稿日:2015年10月19日 更新日:

嚥下障害にかかわる検査のなかで特に嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)の説明をします。

嚥下造影検査(swallowing videofluorography:VF)

バリウムなどの造影剤を含んだ模擬食品をX線透視下に嚥下させ、透視像をビデオやDVDに記録し、嚥下運動や適切な食形態を評価、診断する検査です。
誤嚥があるかどうかのチェックや、口腔・咽頭・食道の動き観察等に有用であり、最も情報量の多い検査です。機能や形態の異常をみるだけでなく、安全に食べるための条件(摂食時の体位、食物形態など)を見つけることができ、治療方針の決定に役立ちます。

評価のポイント

  • 口腔・咽頭・喉頭などの各器官の運動や嚥下の際の造影剤の動きで、障害の程度の確認
  • 喉頭への造影剤の流入(喉頭侵入)あるいは気管内への造影剤の流入(誤嚥)の有無や、流入するタイミング、流入する際にムセが出現するかどうかの確認
  • 嚥下運動が行われた後に、咽頭に造影剤が残っているかを確認します。液体、とろみのついた液体、ゼリーといった食形態の違いで、嚥下運動にどのような変化が生じるのかの確認
  • 頸部の回旋や、リクライニング座位などの姿勢 の変化で、嚥下運動にどのような変化が生じるのかの確認など

観察のポイント

口腔期
      造影剤の口腔内保持
      造影剤の口腔から咽頭への送り込み

咽頭期
      軟口蓋運動,鼻腔内逆流の有無
      喉頭蓋谷や梨状陥凹の造影剤残留
      誤嚥の有無と程度,および造影剤の喀出の可否
      喉頭挙上のタイミングと挙上度
      喉頭閉鎖の状態
      食道入口部の開大
      舌根と咽頭後壁の接触の状況

食道期
      造影剤の通過状態および蠕動運動
      造影剤の逆流の有無
      食道およびその周囲の器質的疾患の有無

注意事項

適応は、嚥下障害を呈する患者さん(食事の際にムセる、 肺炎を繰り返すといった症状のある方等)や反復唾液嚥下テスト・水飲みテスト・食物テストなどの嚥下に関する評価方法で問題のある方となります。

レントゲン室で検査をする必要があるため、ベッド上安静の方やレントゲン室に連れて行くことが困難な方には行うことができません。また、VFでは、患者さんの意識状態や全身状態への注意、嚥下障害が高度の患者さんでは造影剤の誤嚥の危険性、検査による被曝等、十分に考慮する必要があります。

嚥下内視鏡検査(swallowing videoendoscopy:VE)

嚥下内視鏡検査は、内視鏡(ファイバースコープまたは電子内視鏡)を用いて実施する嚥下機能検査です。

必要器材を携行すれば、ベッドサイドや在宅診療でも実施でき、また、検査所見を録画することで、詳細な所見の把握や見直しにも役立ちます。吸引チャンネルを有する処置用の内視鏡を用いれば、下咽頭に貯留した唾液の吸引や誤嚥した食塊の吸引が可能となり、検査の安全性も高まります。

観察のポイント

  • 咽頭腔内に痰等による汚染や唾液の貯留はないか
  • 食塊形成が行われているか
  • 嚥下反射惹起のタイミング
  • ホワイトアウトの確認
  • 食物の咽頭残留の有無
  • 食物の咽頭進入の有無
  • 進入があった場合、咳反射はあるか
  • 進入あった場合、咳払いで解消するか

VFとVEの違い

本検査は、咽喉頭粘膜の状態や声門閉鎖機能、分泌物の貯留・気道への流入の有無を確認できる、被爆がない等、嚥下造影検査(VF)よりも優れた点があります。また、模擬食品ではなく実際の食物を飲み込む場面を観察することができるのも大きな利点です。しかし、咽喉頭部しか観察できない、嚥下の瞬間に咽頭収縮により一時的に視野が白く、観察不能な状態(ホワイトアウト)となり誤嚥を見逃す可能性がある、検査に不快感がある等の短所もあります。VEとVFはそれぞれ観察点が異なるため、併用して検査することで多くの情報を得ることができます。

この記事の投稿者

宮崎 関大
宮崎 関大
言語聴覚士。専門は成人聴覚障害。補聴器やコミュニケーション方法についてメインで執筆していく予定。

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