言語聴覚士国家試験の出題範囲について

勉強・国家試験対策

国家試験には、基礎科目100問、専門科目100問の計200問が出題されますが、その出題範囲は下記のようになります。

基礎科目

医学総論、解剖学、生理学、病理学、内科学、小児科学、精神医学、リハビリテーション医学、耳鼻咽喉科学、臨床神経学、形成外科学、臨床歯科医学、口腔外科学、臨床心理学、認知・学習心理学、心理測定法、生涯発達心理学、言語学、音声学、言語発達学、音響学、聴覚心理学、社会福祉・教育学

専門科目

言語聴覚障害学総論、失語症、高次脳機能障害、言語発達障害、嚥下障害、音声障害、構音障害、吃音、聴覚障害

分野の共通する科目

出題範囲は基礎と専門にわたり多くの科目がありますが、全ての科目がバラバラの分野というわけではありません。そのなかには分野の共通する科目も存在します。

例えば、耳鼻咽喉科学は、耳科学で聴覚障害、口腔・咽喉頭科学で構音障害、摂食・嚥下障害と共通する部分があり、臨床神経学は、脳機能の症状を勉強する失語症や高次脳機能障害、神経のマヒなどを勉強する構音障害や摂食・嚥下障害で共通する部分があります。

このように共通する科目、特に基礎の知識を専門の分野にしっかり当てはめて勉強できる科目を知ることで、効率が上がり、なおかつ、一連の知識として学習することができます。

  • 耳鼻咽喉科学 - 聴覚障害、構音障害、音声障害、吃音、摂食・嚥下障害
  • 臨床歯科学 - 構音障害、摂食・嚥下障害
  • 臨床神経学 - 失語症、高次脳機能障害、聴覚障害、構音障害、摂食・嚥下障害
  • 形成外科学 - 構音障害、摂食・嚥下障害
  • 小児科学 - 言語発達障害
  • 言語発達学 - 言語発達障害
  • 生涯発達心理学 - 言語発達障害
  • 音響学 - 聴覚障害
  • 聴覚心理学 - 聴覚障害
  • 音声学 - 構音障害、音声障害

科目による比重

国家試験の過去問を解いたことがある方ならば、科目により出題される問題数に違いがあることに気づいたと思います。

例えば、専門の聴覚障害は毎年7~8問程度出題されますが、吃音は毎年2~3問しか出題されず、出題数に差があることがわかります。

これは、他の科目にも見られ、特に共通する分野をもつ科目に多いように思えます。聴覚障害を例にすると、聴覚障害は基礎の耳鼻咽喉科学と分野が共通している科目です。この分野を聴覚系とひとくくりにしてみてみると、およそ20問近く出題されているのがわかります。

この科目による比重の違いは勉強の効率化や得点をとる計算に役立ってきます。

比重が大きい

  • 小児全般(言語発達障害、言語発達学、小児科学、あわよくば生涯発達心理学)
  • 脳神経系(臨床心理学、失語症、高次脳機能障害、摂食・嚥下障害、構音障害)
  • 聴覚系(聴覚障害、耳鼻咽喉科学)
  • 口腔系(構音障害、摂食・嚥下障害、形成外科学、臨床歯科学、口腔外科学)
  • 心理系(認知・学習心理学、臨床心理学、生涯発達心理学、精神医学)

比重が小さい

  • 病理学
  • 生理学
  • リハビリテーション医学
  • 社会福祉・教育学
  • 音響学
  • 聴覚心理学
  • 吃音

※ 社会福祉・教育学、音響学、聴覚心理学は決して比重が小さいわけではないですが、難しい分野ですので、得点の取りづらさから同列に挙げています。

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