病気や事故などによって視機能に障害が生じた患者に対し、検査や矯正訓練を行って視機能の回復をはかる視能訓練士。昭和46年に制定された「視能訓練士法」という法律に基づく国家資格をもった医療技術者であり、眼科で医師の指示のもとに視能検査を行うと共に、斜視や弱視の訓練治療をこなす職種です。

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視能訓練士とは

視能訓練士(Orthoptist:ORT)は、「見ること」「見えること」の楽しさを伝える医療専門職です。視力・屈折検査、眼圧検査、視野検査をはじめとするさまざまな眼科検査を行い、眼科医に的確なデータを提供して眼科医療をサポートする重要な専門職です。また、斜視や弱視など視機能に障害を持つ人に、専門的検査や矯正訓練を行うのも重要な仕事のひとつです。

日本での歴史はまだ浅く、眼科医約14,000名に対し、視能訓練士はわずか約13,000名と少なく、今後一層の人材育成が期待されています。

視能訓練士になるには

視能訓練士は国の定める国家資格であり、免許を持ったものでなければ名乗ることができません。

視能訓練士になるには、高校卒業後、以下のいずれかのルートを経由し、国家試験の受験資格を得ます。そして、国家試験に合格することで視能訓練士免許が交付され、晴れて視能訓練士になることができます。

視能訓練士養成校

視能訓練士養成科のある4年制大学や3年制専門学校に通い、必要な知識・技術を習得する。

一般の大学・短大から視能訓練士養成校へ

一般の大学や短大、又は、看護師や保健師養成課程の学校で指定科目を履修したのち、指定された視能訓練士養成校(1年以上)で必要な知識・技術を習得する。

外国で視能訓練士の学校を卒業

外国の視能訓練士養成校を卒業し免許を取得した人で、日本の養成校で学んだのと同等の知識・技術を習得したと厚生労働大臣が認定した者。

仕事内容

視能訓練士は病院やクリニックの眼科に勤務し、各種眼科検査・訓練を行います。

眼科診療におけるさまざまな視機能検査

目の病気で「何か見えにくい」と患者さんが訴えた場合、視力やメガネだけがその原因とは限りません。近くが見えにくい、暗い所で見えにくい、色がわかりにくい、見える範囲(視野)が欠けている、ゆがんで見えるなど、さまざまな症状があります。 視能訓練士は眼科医と協力して、多岐にわたる視機能について、さまざまな眼科医療機器を使って検査し、診断・治療に生かします。

弱視・斜視患者さんへの訓練・指導

目の位置(眼位)がズレている斜視のため、立体的に物を見る両眼視機能に障害を持つ患者さんや、生まれつき強い屈折異常・斜視が原因で、メガネでは視力が十分に出ない弱視の患者さんに、視機能回復を目的とした矯正訓練の指導を行います。

低視力者へのリハビリテーション指導(ロービジョンケア)

高齢化社会を背景に、糖尿病などの生活習慣病や緑内障・網膜色素変性症などの眼疾患で、重度の視機能障害を持つ患者さんの数は増加傾向にあります。こうした、視覚にさまざまな障害を持った方々の持っている視機能を最大限に活用し、生活の質をできるだけ元のレベルにまで高めるのがロービジョンケアです。 眼疾患、残存視機能について十分な専門知識を持つ視能訓練士は、このような低視力者の方々に対する拡大鏡などの補助具の選定や、その使用に関する指導を行います。

集団検診視機能スクリーニング

病院内での眼科検査だけでなく、早期発見・早期治療、予防医学の観点から地域医療活動に参加し、乳幼児検診・学校検診・職場検診・成人病検診・老人保健法による健康管理など、各種検診において視機能スクリーニングを行います。

就職先

主な就職先は眼科医院や眼科がある総合病院などです。最近ではレーシッククリニックで働く視能訓練士も増えてきています。

  • 病院、リハビリテーションセンター、 眼科診療所、保健所などの医療行政機関
  • 医療機器関連業、医薬業関連企業
  • 大学や養成施設などの教育・研究機関


画像引用:公益社団法人 日本視能訓練士協会

参考