補装具費に人工内耳の修理項目が新設。対象者や修理の範囲も明記

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『補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準』により人工内耳の修理項目が新設され、令和2年3月31日付の厚生労働省の通知文『「補装具費支給事務取扱要領」の制定について』で人工内耳の修理について取扱が定められました。
以下に補装具費支給事務取扱要領を抜粋して掲載します。

対象者

人工内耳装用者のうち、医師が当該人工内耳音声信号処理置の修理が必要であると判断している者。

対象機器の範囲

人工内耳用音声信号処理装置(標準型・残存聴力活用型)のみ
※以下に掲げる機器は対象外である。
ア 人工内耳用インプラト
イ 人工内耳用ヘッドセト(マイクロホン・送信コイル・送信ケーブル・マグネット・接続ケーブル等)
ウ 人工内耳用音声信号処理装置の電池

※新機種を使用したい等、本人の選好による機器の交換は対象外である。
※人工内耳用材料が破損した場合等の交換は医療保険給付対象である

なお、市町村は、「補装具費支給申請書」、医師が作成した「人工内耳用音声信号処理装置 確認票(様式2)」、修理見積書等に基づき、更生相談所の判定を要せず、支給決定して差し支えないこと。
支給決定に当たって、市町村は、当該人工内耳音声信号処理装置について、補装具業者(人工内耳メーカー)や本人への聞き取り等により、以下の項目を確認すること。
・補装具業者が定める保証期間を経過していること
・補装具業者が修理可能と判断していること
・申請者が、人工内耳音声信号処理装置の修理を対象にした任意保険に加入していないこと

補装具費支給に係る質疑応答集

令和2年3月31日付の厚生労働省の通知文『「補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準の改正」に係るQ&Aの送付について』で人工内耳の補装具費支給についていくつかの質疑応答が掲載されています。

Q1 補装具費支給制度上、原則、同制度を利用して交付されたものに対する修理を行う際に費用の支給をしているが、今回、人工内耳の修理基準のみが追加される理由如何。

A 人工内耳の植込術を行った場合の費用及び人工内耳用材料が破損した場合等における交換に係る費用については、人工内耳用音声信号処理装置等の外部機器を含め医療保険の給付対象である(別紙参照)が、人工内耳用音声信号処理装置について、破損はしていないが「修理」を要する場合の費用について、従来から自己負担とされていた。
そのため、人工内耳用音声信号処理装置の「修理」の取扱いについては、令和元年に関係団体等を対象に実施した「補装具に関するヒアリング」においてご意見が寄せられたことを受け、外部有識者で構成される補装具評価検討会において議論した結果、人工内耳(人工内耳用音声信号処理装置に限る)を補装具費支給制度の修理基準に追加することが妥当と判断され、本改正に至る。

Q2 人工内耳の修理基準について、どの部品が、どのような場合に対象となるかを具体的に明示してほしい。

A 今回、補装具費支給制度の修理基準で対象とするのは、医師が必要と判断した「人工内耳用音声信号処理装置(標準型や残存聴力活用型)」の修理のみとなる。
よって、以下の機器の交換や修理は本取扱いの対象外となる。
(対象外)
(1)人工内耳用インプラント
(2)人工内耳用ヘッドセット(マイクロホン・送信コイル・送信ケーブル・マグネット・接続ケーブル等)
(3)人工内耳用音声信号処理装置の電池

Q3 人工内耳用音声信号処理装置の単なる機種交換については、補装具費支給制度で対応しないという認識でよろしいか。

A 新製品が出たことによる聴力の向上を期待した交換等、本人の選好による機種交換は、補装具費の支給対象とならない。

Q4 自治体は人工内耳用音声信号処理装置の修理の支給決定に当たり、どのような観点で判断すればよいのか。

A 今般、補装具費支給事務取扱要領において、「人工内耳用音声信号処理装置 確認票(様式2)」を追加した。従来、申請時に添付している「補装具費支給意見書」に加え、本様式を参考に必要事項を確認されたい。詳細は、補装具費支給事務取扱要領を参照されたい。
なお、様式2を含め、本改正については、関係する学会等も周知を行う予定である。

Q5 人工内耳について、補装具の修理に係る費用の額の基準は、補装具告示の別表の規定による価格の100分の106に相当する額か、それとも100分の110に相当する額となるのか。

A 人工内耳については、身体障害者用物品ではないため、課税扱いとなる。よって、別表の規定による価格の100分の110に相当する額となる。

関連法規

福祉用具/厚生労働省のページ内で以下のPDFファイルを閲覧できます。
・補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準
・補装具費支給事務取扱指針
・補装具費支給事務取扱要領
・令和2年3月31日付「補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準の改正」に係るQ&Aの送付について

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