自民党難聴対策推進議連「Japan Hearing Vision」を発表。言語聴覚士にさらなる期待

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2019年4月に難聴児・者が生き生きと心を豊かに暮らしやすい社会を実現できるよう、原因別難聴に対しきめ細かな対策を推進すること等を目的として自民党・難聴対策推進議連が発足されました。

世界的な難聴対策の気運高まりを捉え、日本においても聞こえなさ・聞こえにくさのある一人ひとりに応じた適切支援が提供されるよう、各ライフサイクル別難聴者(児)支援のあるべき姿の実現を目指し、難聴対策及びそれを支える基盤づくりに総合的・体系的取組を早急に強化していく必要があるとの考えです。

政府への要望

6月に自民党・難聴対策推進議連は「新生児期・小児期に関する難聴対策提言~すべての難聴児に最適な医療・保健・療育・教育を届けるために~」を政府に提出し、また、2019年3月に厚生労働省・文部科学省の両省連携「難聴児の早期発見に向けた保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト」も6月にその報告書を公開しました。

それらを受けて、政府の次年度予算編成に向けての骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針2019(案))の中に盛り込まれ、結果として政治的な力での予算取りがほぼ確実となりました。

新生児期・小児期における対策

感染症による難聴の予防、難聴の早期発見、適切なタイミングでの医療、療育、教育の提供などにより、難聴児がコミュニケーションの手段である言語能力を獲得できるような社会を実現を目指します。
難聴児の家族等が、新生児期・小児期の難聴に関する十分な情報、今後のとりうる選択肢に関する情報等を受けることができ、適切な選択肢につなげることができるよう環境を整備します。

成人期・老年期における対策

職場での機械音等の騒音にさらされることによる騒音性難聴や、イヤホン、ヘッドフォン等で大音量の音を聞き続けることによる音響性難聴等、防ぎうる難聴の予防を進めます。
人生100年時代を見据えて、全ての高齢者が難聴による生きづらさを感じることなく元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会を作ります。

難聴対策を支える人材育成

言語聴覚士の活用促進、補聴器技能者の在籍義務化や公的資格の付与の検討、要約筆記者・手話通訳者の充実、手話を専門とした人材育成の検討等、難聴対策を支える体制の整備を進めるとともに、難聴対策に資する革新的な医療機器等の研究促進に取り組みます。

言語聴覚士のさらなる活躍

言語聴覚士の活用促進として、聴覚領域における大学院博士課程コースの新設や聴覚領域を専門とした言語聴覚士の育成、専門性向上のための研修会の充実、音声言語、手話文化的背景を踏まえた家族等の選択の重要性の尊重などがあげられました。
また、小児領域の専門性の向上や教育現場の連携強化、様々な場面における活用促進が期待されています。

小児には早期発見、早期療育から切れ目のない支援の充実、高齢者には補聴器や人工内耳の正しい知識の提供など、聴覚領域の専門家として言語聴覚士の期待が高まることが予想されます。

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