介護老人保健施設ってどんな場所? 現役言語聴覚士が教えます!

介護

言語聴覚士(以下ST)の就職先で多いのは「急性期病院」「回復期病院」だと思います。成人分野では病院以外にも「介護老人保健施設」で働くSTもいます。私もそんな1人です。

介護老人保健施設。略して老健。どんな場所かイメージできますか?正直な話よく分からないのではないでしょうか?私も入職するまでイメージが湧きませんでした。今回は介護保険老人施設がどんな場所か。ご説明していきます。

介護老人保健施設とは?

入院していた患者さんが回復期病院を経て、次の施設として老健に来ます。
(ちなみに介護保険領域では、「患者」と言いません。施設を利用する立場になるので「利用者」と呼びます)
老健には主に2つの役割を果たしている場合が多いです。

老健は、在宅復帰を目指す施設

老健には入所(施設に暮らす)と通所(家から通う)があります。

入所(施設に暮らす)

入所は、施設で生活しながらリハビリテーションを行い、在宅復帰を目指します。
回復期でリハビリテーションを行った後、まだ住宅改修が済んでいない・もう少しリハビリを重点的に行ってほしい等、家に帰る事が難しい場合「施設に入所」します。

通所(家から通う)

通所は、家から施設に通いながらリハビリテーションを行います。
回復期でリハビリテーションを行い退院後、家から「施設に通所」してリハビリテーションを継続します。

リハビリの時間が短い?

老健でも、言語リハビリを行います。ただ、病院のリハビリと違う点があります。簡単に言うと、リハビリ時間は「基本1単位」となっています。

特別な加算もある為、一概には言えませんが、基本的には1単位…できても2単位が限界です。また、介護保険の仕組み上、1日に介入できるリハビリは1つだけ。つまり、1日のどこかの時間にPTが介入したら、その日1日はSTが介入できません。(サービスでなら可能ですが…あまり行う事はありません。)

このような理由から、『病院では毎日リハビリをしてもらったのに、老健に来てから一気にリハビリの時間が減った』というお話を聞くときもあります。

老健は介護職員、ケアマネージャー(介護支援専門員)がいてこそ!!

介護保険領域では、とにかく「ケアマネージャー」に話を通さないとリハビリ介入する事が出きません。ケアマネージャーさんと密なやり取りが必要になってきます。

そして介護職員さん。介護職員さんなしでは老健は成り立ちません。介護職員さんに食事介助や歩行介助のお願いをする時も、いかにお互いに負担がかからないやり方があるかを一緒に模索します。リハビリ科の勝手な判断で方法を押し付けると、信頼が危ぶまれます。(これは病院でも一緒だと思います)

最後に

老健での言語聴覚士の役割は増えています。回復期リハを経て、まだまだリハビリが必要な方が多くいます。老健働く言語聴覚士さんが増えればいいなと思っています。

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