過去問の解き方&ノートの作り方

勉強・国家試験対策

勉強をしていくうえで試験の過去問ほど役に立つ参考書はありません。しかし、過去問はただ漠然と目を通せばいいというわけではありません。ここでは正しい勉強法とノート作りについて説明していきます。

正しい勉強方法を身に付ける

国家試験の過去問を解くにあたって、意外と多くの学生がやっている間違った勉強法があります。それは、「正解の選択肢だけを探す」ということです。

国家試験の本番では正答を選んでいきますが、過去問を解いて勉強している段階では、正答を選ぶだけでは知識はあまり付きません。「これがなぜ正解なのか?」「これがなぜ間違いなのか?」と全ての選択肢に対して答えだけでなく説明できるようになることで、知識として身についていると言えるのではないかと思います。

過去問を使った勉強方法

国家試験の過去問題集を読むと問題の解説もついており、それを読んだだけで勉強した気になってしまいます。しかし、問題集の解説はその問題に対する「yes/no」レベルの説明も多く、「なぜyesなのか?」というところまで掘り下げていないこともあります。国家試験の問題には、思いもよらないほど深く掘り下げられた問題も出題されます。そのような問題を解くためには、ひとつひとつの選択肢に対してしっかりと理由もつけて答えられる知識が必要になってきます。

つまり、過去問を使った勉強法とは、「ただ問題を解くだけでなく、全ての選択肢に対して答えを導き出せるようにする」=「自分で過去問の解説を作る!」ということになります。

過去問の解説作り

過去問の解説作りについて、具体的に説明します。まず、はじめに伝えておきたい事があります。それは、過去問の解説作りとは、オリジナルノート作りでもあるということです。

なぜ解説を作りとは、すでに説明したように「問題に対する解説」とはその設問で聞かれていること全てに答えられるように掘り下げて調べるということです。したがって、選択肢ひとつひとつに対して、「aは○○だから正解、bは××だから不正解」というレベルではなく、「○○症候群とは××の特徴があり・・・以上を踏まえて、aは△△のため正解、bは□□に見られる症状であり不正解」と詳細に記述していきます。

すると、この方法で問題を解いていくだけで、そのノートには症状の特徴の原因といった情報がまとまり、わざわざノートを作らなくとも、オリジナルノートが出来上がります。

この方法ならば、まとめノートを作る手間も時間も省け、最初から国家試験の問題に取り組めるため、問題に慣れることができ、参考書の内容を写すだけの作業に苦痛を感じる方でも考えながら勉強ができます。

ノートの書き方のポイント

さらに実践的に、ノートの書き方のポイントを説明します。

ノートの使い方は人それぞれですが、なるべく効率良く、読み返したときに見易いノートのアドバイスを書いていきます。

ポイント1:余白を多めに


余白を多めにとは、行と行の間を広くとったり、左右に余裕を残して書いたりするということです。これは、後から情報を追加できるようにしておくためです。

疾患や症状の説明は、参考書によって書いてある情報が少しずつ違ってきます。ノートを書いた後に別の参考書から新しい情報を発見した場合、ノートに文字を詰めて書いていたら、新しい情報を追加するスペースがありません。

そのようなときのために、文字を詰めすぎずに余裕を持って書いた方が見易くなります。

ポイント2:ノートの4分の1は空けておく


左右どちらでも良いので、ノートの4分の1くらいのスペースは区切って空けておくと後々便利です。これは、そのスペースを利用してインデックスを付けたり、付箋を付けたり、項目名を書いたりと見易い工夫につながります。

最近では、最初からインデックス欄としての左側に余白のあるノートも発売されています。書くスペースが減ってもったいないと思うかもしれませんが、後々便利なことに気づくと思います。

この2つのポイントを踏まえてノートを使っていくと、後から書くスペースがなくて困ったりとか、付箋を張る場所を探さなければいけなかったりなどの悩みがなくなります。ノートに情報を整理するというのは、意外に神経を使い、ストレスが溜まるものです。勉強に集中するためにも減らせる悩みは減らしていき、効率良く勉強できればと考えます。

ノートの見本(PDFファイル)

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解説作りのポイント

最後に解説作りのポイントです。このポイントが解説作りにおける一番の胆です。是非とも読んでいただきたいと思います。

ポイント1:問題集の解説は見ない


これはそのままの意味で、過去問題集の解説は見ないようにしてください。もちろん、答え合わせに見るのはかまいません。しかし、問題を解き始めたとき、問題集に解説が載っていると例え情報量が少なくてもそれで勉強した気になってしまいます。これでは本当の知識につながりません。なるべく解説は見ずに自分で参考書をめくって調べるクセをつけてください。

ポイント2:過去問は過去3年間分は解く


国家試験の問題は午前100問、午後100問の計200問あります。200問分の解説を作るとなると相当な量の勉強をすることになります。しかし、国家試験の出題科目は32科目もあります。200問あっても、多い科目で7~8問、少ない科目では2~3問です。たとえ200問解いたとしても、2問分しか勉強していない科目もあるということです。

したがって、過去問は最低でも過去3年間分の計600問はこなしてほしいと考えます。それだけの量の解説を作れば知識も相当つき、勉強のやり逃しはなくなると思います。また、過去問はなるべく新しいもので取り組むようにしてください。医療情報は日々更新されるものなので、古い過去問で誤った情報を覚えては大変です。また、国家試験自体のやり方も変化してきていますので、そちらに慣れるようにしてください。

ポイント3:似たような問題でも解説作りを怠らない


同じ分野の問題を解くときには、似たような問題に多く当たります。例えば「ブローカ失語の特徴は何か。」「ブローカ失語の病巣はどこか。」といった具合です。このような問題を解くとき、解説作りを怠らないようにしてください。

解説作りの目的はノート作りではありません。あくまで、結果的にオリジナルノートができるというだけです。一度書いて覚えたと思っても、次に似たような問題にぶつかって分からなければ何度でも書いてください。たくさん書くことで確実に記憶に定着していきます。

ポイント4:参考書は最低2冊は読む


参考書によっては記述や情報量が違ってきます。1冊の参考書だけでは、知識がかたよることはないと思いますが、不足は確実に出てきます。また、表現方法も違ってくるので、多くの表現方法を知っておくほうが試験で柔軟に対応できるようになります。

参考書は値段が高いため、何冊も買うのは大変かと思いますので、学校の図書館を利用したり、友人と異なる参考書を買い、貸し借りしたりと多くの参考書に目を通すようにしてください。

焦らずコツコツと

最後に、過去3年分600問となると膨大な問題数と感じ、めげるかもしれません。ですが、1日5問で良いので解いてみてください。600問は半年かからず解き終わります。たとえ設問の選択肢が全て症候群だったとしても、放り投げてはいけません。全て書いたとしても5ページくらいです。書ききってみるとそれほど時間は経っていません。国家試験の勉強は、焦らず、投げ出さず、コツコツとやっていくことが大事です。大変ですが、自分のペースで取り組んでいきましょう。

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