【新型コロナウイルス】日本脳卒中学会・日本循環器学会が共同声明を発表

ニュース

2020年4月9日に日本脳卒中学会・日本循環器学会が新型コロナウイルス(COVID-19)に関する共同声明を発表しました。

趣旨

一般社団法人日本脳卒中学会・日本循環器学会は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する現状に対し、脳卒中・循環器病の救急医療体制維持に強い危機感を抱き、早晩にも未曾有の崩壊に陥ることを強く懸念しています。COVID-19に対して注目が集まる社会状況において、救われるべき脳卒中・循環器病を突然発症した患者が適切な救急医療・急性期治療を受けることができる体制を保持するために、以下の声明を発表いたします。

この声明は2020年4月6日に日本脳卒中学会と日本循環器学会で協議を行い、それぞれワーキンググループを作成ののちに両学会の緊急理事会承認を得たものです。

1 地域医療圏における医療供給情報の共有と有効利用

脳卒中・循環器病の救急医療が崩壊しないために、地域医療圏における医療の供給情報を医療関係者と行政が共有し、地域における医療体制を有効利用するシステム構築に向けて国や各自治体と全面的に協力します。

2 COVID-19発生数を減らす有効な対策実現

COVID-19の発生数抑制のために、行政のリーダーシップのもと、両学会は国民および医療機関と協力し、病院内外の最適な感染対策実現を目指します。

3 脳卒中・循環器病救急医療施設間での院内感染対策を含む情報共有

COVID-19対策に必要な、感染症に限らない幅広い診療科間での密な連携、脳卒中・循環器病救急医療体制の整備、医療施設間での質の高い情報共有に全力を尽くします。

両学会には、呼吸循環管理のエキスパートとしてCOVID-19重症肺炎患者に対する体外式膜型人工肺(ECMO)を用いた治療などにおいて中核的なメンバーとして力を尽くしている会員も多く、今後もCOVID-19に最大限の対応を継続します。その上で、COVID-19が日本国内でこれ以上の爆発的増加になることを全力で阻止し、日本国内全ての地域における医療機関の医療体制破綻や医療従事者の感染を防ぎつつ、本来の質の高い脳卒中・循環器病含む全疾患治療体制の継続に向けて、できうる限りの努力をする覚悟です。

COVID-19に関する日本脳卒中学会・日本循環器学会共同声明 | 日本脳卒中学会 - The Japan Stroke Society

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【新型コロナウイルス】脳卒中患者さんのための情報Q&A

公益社団法人 日本脳卒中協会が脳卒中患者さんのためのリハビリや薬などの情報をHPで掲載しています。
新型コロナウイルス関連のQ&Aを抜粋します。

Q.コロナウイルス感染が脳卒中の原因となることはありますか

A.現時点でコロナウイルス感染自体が直接脳卒中の原因となることは報告されていません。

しかし、感染が引き金となり、血圧が変動したり、血液が固まりやすくなったり、脱水になったりする可能性は考えられます。その場合、高齢者,血圧やコレステロールや血糖が高く脳の血管の動脈硬化が進行している人、心房細動などの心臓病がある人など脳卒中のリスクが元々高い人では、発症のリスクがさらに高まる可能性が考えられます。

Q.脳卒中の患者さんがコロナウイルスに感染するとどのような影響がありますか

A.脳卒中の患者さんは、一般の方々よりも免疫力や体力が弱っていると考えられます。

つまり、一般の方々よりも感染しやすく、感染した場合に重症になり易い可能性があります。脳卒中を防ぐための治療薬 (抗血栓薬:血液サラサラの薬)のなかには、感染症に対する薬と相互作用を有するものがあり、併用することによって抗血栓薬の効果が過剰になる場合や、逆に効果が減弱する場合があります。その影響で脳梗塞や脳出血の発症のリスクが高まってしまいます。脳卒中の患者さんが発熱や呼吸器症状などに対して医療機関で薬の処方を受ける際には、必ず日ごろ内服している薬の内容 (お薬手帳など) を提示してください。

また、感染により脳卒中の後遺症が悪化することもあり、その場合脳卒中の再発と区別がつきにくいことも少なくありません。脳卒中の後遺症の悪化に気づかれた場合は、すぐに脳卒中の専門病院を受診してください。

Q.脳卒中の患者さんに対してはどのような注意が必要ですか

A.脳卒中の患者さんは、一般の方々よりも免疫力や体力が弱っていると考えられます。

つまり、一般の方々よりも感染しやすく、感染した場合に重症になり易い可能性があります。発熱や呼吸器症状など感染の可能性がある人、感染の可能性がある人と接触した人は極力脳卒中の患者さんと接触しないでください。家族に脳卒中の患者さんがおられる場合は、日ごろから手洗いやうがいの徹底、マスク着用などを心がけ、万一発熱などの症状を認めた場合は早めに医療機関を受診してください。

脳卒中の患者さんが感染した場合、または感染が疑われる場合でも、早期に点滴などの治療を行うことで影響を最小限に食い止めることが期待されます。

Q.診察や薬はどうしたら良いですか

A.脳卒中は再発(もう一度脳卒中を起こされること)を含めた予防は、生活習慣の是正はもちろんですが、お薬を継続して服用することが大切です。一部のお薬は中止することで脳卒中を発症する危険が高くなることもあります。

コロナウイルスの影響で、かかりつけ医院・病院の外来が閉鎖したり、緊急事態宣言で遠方の医院・病院への通院が難しくなる場合も考えられます。突然の外来閉鎖で診療情報提供書(他の医院・クリニックに患者さんの病状、治療内容を記載した手紙)をもらえないこともあるかと思いますので、お薬手帳など飲まれているお薬の情報を用意しておきましょう。万が一、急にかかりつけ医院・病院と違う医院・病院を受診しなくてはならなくなった時でも、いつもと同じ内容のお薬を処方いただけると思います。お薬手帳の取得が難しい場合は、今飲まれているお薬の表と裏を写真にとって、その飲み方をメモしておくと良いかも知れません。もし可能なら清潔にしたテーブルなどにお薬をシートから出した状態も撮影いただくと、より確実にお薬の内容をわかっていただけると思います。

また、医院・病院によっては電話再診で医師が状態を確認し、お薬を処方することもできます。全ての医院・病院で行なっているわけではありませんので、かかりつけ医院・病院にご確認ください。

脳卒中患者さんのための情報
脳卒中は予防のみならず、発症後は、再発予防のための“治療の継続”と“リハビリテーションの継続”も重要です。 お…

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