記憶障害
新しいことが覚えられない、過去のエピソードを忘れてしまう、大切な物をしまった場所を忘れてしまう、何度も同じことを聞いてしまう、などの記憶の障害です。
新しいことが覚えられない前向性健忘と発所前のことを思い出せない逆向性健忘があります。
注意障害
特定の物事に集中して注意を保てない、気が散りやすい、必要に応じて複数のことに同時に注意をふり向けることができない、などの注意の障害です。
空間に関する注意と、全般的な注意があり、前者は半側空間無視との関係が強く、後者は前頭葉機能障害との関係が強いです。
前頭葉症状(遂行機能障害)
「目標を設定し、計画を立て、計画に応じて手続きを行い、行動をする」という目的をもった一連の活動を有効に行う遂行機能の障害です。
たとえば、料理を作る、旅行の計画を立てるなどの活動が行えなくなります。
視空間性障害(半側空間無視)
「大脳半球の対側の刺激に反応せずまたそちらを向こうともしない症状」が半側空間無視です。
左右いずれの半球損傷でも生じますが、右半球損傷による左半側空間無視の場合は、長く症状があらわれ、重度になることが多いです。
日常生活では、左側にあるおかずを食べ残す、左折できず左側の部屋が見つからない、雑誌の左側を読み落とす、左側にいる人や物にぶつかってしまう、などがみられます。
失行症
麻痺などの運動障害がなく、言われたことも理解しているにもかかわらず、日常生活で普段行っている動作がうまくできなくなることを失行といいます。
敬礼やおいでおいでなどの単純な動作ができない観念運動失行、お茶を入れる際に必要な動作が抜けたり対象を間違えたりするなどの一連の順序立てられた動作を間違えてしまう観念失行、ボタンをはめやページめくりなどのごく簡単な動作が不器用になる肢節運動失行などがあります。
失認症
視覚や聴覚、触覚などの感覚を通して対象を認知することの障害が失認症です。
この失認症はその障害された感覚をとおすと、認知できないが、他の感覚をとおすことで認知することができます。(目で見てもそれが何だかわからないが、匂いや味でそれがコーヒーだとわかるということ)
視覚の認知障害
- 障害物をよけながら廊下を歩き、検査では色の名前まではっきりとわかるのだが、見てるものが何だかを認知できない(統覚型視覚失認)
- しっかりと細部までみることができ、模写も正確にできるのにその対象が何であるか認知できない(連合型視覚失認)
- 相手の顔をみても誰だかわからない(相貌失認)
- 知っているの建物や風景を見ても、それがどこかわからない、あるいは、目的地の建物はわかるがどのように進んだらいいのかわからない(地誌的失見当)
聴覚の認知障害
- 音自体の聞こえに問題ないが聞いた音の意味が分からない状態です。ことばはわかるが、電話の音やカラスの鳴き声などの環境音が認知できない(環境音失認)
- 環境音はわかるが、ことばだけが認知できない(純粋語聾)
触覚の認知障害
- 体性感覚障害がないのに、物品を触ってもそれが何かわからない(触覚失認)
その他の失認
- 提示された身体の部位を指すように言われも、その部位を指すことができない(身体部位失認)
- 身体の半分が存在しないように振る舞う(半側身体失認)
- 麻痺があるが、その存在を否定する(病態失認)
失語症
話す、聞く、読む、書く、計算するの言語モダリティが障害されてしまう症状です。
※ 詳しくは失語症のページをご参照ください。
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