補聴器は利用するうえで、「両耳につけた方が良いのか?」という疑問をお持ちの方は多いと思います。耳は左右にあるのだから、単純に両耳につけた方が良いと思われがちですが、しかしそう単純なことではありません。
補聴器を両耳につけることにより良い面もあれば悪い面もあります。今回は補聴器を両耳につけることのメリットとデメリットを整理しました。
両耳装用のメリット
音の方向感
音の方向は、音源との距離や音の強弱で知覚しています。補聴器が片耳しかつけられていない場合は、すべての音を片耳で拾うために情報の整理ができませんが、両耳につけていると距離や音の強弱の差を判断できるため方向が分かることがあります。
騒音下での会話
騒音下や複数名での会話では、話し手の位置によって聞こえる方向が異なります。しっかりと聞き取るためには、話し手の声の方向を知覚することも重要です。
言葉の聞き取りが向上する
左右の聞き取りの力を活用しますので、片耳装用のときよりも言葉がしっかりと聞こえます。また、両耳に補聴器をすると、常に集中して音のする方向を探すこともなくなるため、自然に音を拾えて疲れにくくなります。
耳への負担が軽減される
両耳装用では片耳のみに補聴器をフィッティングするよりも左右それぞれの補聴器の音を小さめに設定出来ます。したがって、耳への負担が軽減されます。
画像引用:オーティコン
両耳装用のデメリット
金額が高い
補聴器はエントリークラスで10万円~。ミドルクラスでは20万~と高価な買い物です。両耳につけるとなると単純に価格は倍です。
使用しているうちに故障による修理費や寿命による買い替えなど、経済的にコストがかかります。補聴器は生活に必要なものですので、長く使うことも考えて購入を検討されたいと思います。
管理が手間
補聴器は日々のケア・メンテナンスが必要になります。両耳につけるとなるとその管理の手間も倍になります。ずさんな管理方法ですと、すぐに故障してしまうので、しっかりとご理解いただきたいと思います。
まずは試して
補聴器を両耳につけるかどうかを決める前に、まずは試してみることが大切です。試した結果、よく聞こえると感じる方もいれば必要ないと感じる方もいます。
あせらずにじっくり試し聞きをして納得のいく補聴器を見つけてください。
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