吃音症は障害者手帳を取得することができるのか?

吃音症は発達障害に含まれており、精神障害者保健福祉手帳を通じて、行政の福祉サービスを利用できるとされています。しかし現実問題として、吃音症で障害者手帳を取得しようと病院に行ったが、取得につながる診断書を書いてもらえなかったといった声もあります。
このような意見がある中、平成28年10月22日の国際吃音啓発デーに合わせて行われたイベントで厚生労働省 発達障害対策専門官が当事者の疑問に答えました。
このイベントは東京都北区の赤羽北区民センター(ふれあい館)にて、国際吃音啓発の日に合わせたイベントが吃音者の当事者団体である『東京言友会』と『千葉言友会』の主催で開催されたものです。

以下に専門官の答弁を記載します。

Q:吃音で障害者手帳は取得できるのか。

「会社に勤めることはできるが、周囲の理解を必要とするのが精神障害の3級。ここ(同イベント)にきている皆さんは、おそらく3級に当てはまると思う。(中略)基準に当てはまれば手帳は取れる。しかし、吃音を理解できる医師が少ないため、基準に当てはまるかを判断できる診断書がでてこない。吃音の知識が医療関係者に行き届いていないという課題がある。厚生労働省としても、研修などを通じて医療関係者への吃音の周知を図っていきたい。」

Q:仙台では精神ではなく身体での障害認定を求める訴訟もあったが、厚労省はどう捉えているか。

「そこは行政なので明確にしている。吃音症という診断名であれば間違いなく精神障害ということになる。身体障害であれば、言語発達に関連した、吃音とは別の診断名がつく。これは吃音に限らず、たとえば自閉症でも、精神障害ではなく知的障害をメインにして療育手帳を申請する例もある。自身が両方の特徴をもっていれば、どちらのルートで交付を受けたいか、本人が選ぶことができる。」

参考:HUFFPOST

国際吃音啓発の日とは

国際吃音啓発の日は「International Stuttering Association」などが1998年に定めた世界的な啓発デーです。毎年4月に行われる世界自閉症啓発デーのような認知度はまだないが日本でも認知度の向上が今以上に望まれています。

吃音症とは

吃音症とは、発話・発声するときに自分の思うように言葉が出てこない障害です。

・「お、お、お、お、お、お、おはようございます」(連発)
・「おーーーーはようございます」(伸発)
・「・・・おはようございます」(難発)

上記のように言葉の発するタイミングがズレる症状が見られます。

吃音症は当事者によって症状や程度が異なり、また、言葉のみではなく顔の表情が歪む、腕や脚が意図せぬ動きをしてしまうという症状が同時に出る場合もあります。

吃音に関する記事まとめ

平成28年4月、福山雅治さん藤原さくらさんが出演したフジテレビ系列の月9ドラマ『ラヴソング』で吃音症を抱える女性が描かれたことで、吃音症に対する世間の認知度が上がりました。

吃音のヒロインが登場するドラマ「ラヴソング」まとめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました