第3回 言語聴覚士国家試験 午後(101~200)

第101問脳損傷に起因する構音およびプロソディの障害はどれか。

  1. 失語症
  2. 発語失行
  3. 言語発達遅滞
  4. 機能性構音障害
  5. 吃音
解答例<2>

第102問適切な組み合せはどれか。

a.声門破裂音 - 音声障害

b.保 続 - 失語症

c.反響言語 - 自閉症

d.適応効果 - 吃 音

e.一貫性効果 - 構音障害

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<4>

第103問誤っている組み合せはどれか。

  1. ABR  ーー  聴覚検査
  2. DAF  ーー  失語症検査
  3. ICD  ーー  疾病分類
  4. IPA  ーー  言語音表記
  5. QOL  ーー  生活の質
解答例<2>

第104問「事実と推測を厳密に区別する」と定義されるのはどれか。

  1. 信頼性
  2. 妥当性
  3. 再現性
  4. 一般性
  5. 客観性
解答例<5>

第105問言語聴覚士が行えないのはどれか。

a.補聴器特性の調節

b.人工喉頭使用音声治療

c.スピーチエイドの作製

d.食道造影検査

e.聴性脳幹反応検査

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<4>

第106問言語治療について正しいのはどれか。

  1. 進行性疾患に起因する言語障害は対象としない。
  2. 自然回復の途上にある言語障害は対象としない。
  3. 知的障害のある成人は対象としない。
  4. ノンバーバル・コミュニケーション手段の使用を否定しない
  5. 行動論的アプローチは被訓練者の学習能力を前提としない。
解答例<4>

第107問正しいのはどれか。

a.原因を確定してから言語治療を開始する。

b.原因疾患の治療と言語訓練とは併行して行わない。

c.言語訓練は学習の般化を期待して行う。

d.コミュニケーション環境を改善する働きかけは言語治療に含まれる。

e.ベースラインは治療効果測定の基準となる。

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<5>

第108問交叉性失語について正しいのはどれか。

  1. 右手利きの右半球病巣
  2. 右手利きの左半球病巣
  3. 左手利きの右半球病巣
  4. 左手利きの左半球病巣
  5. 右手利きの両半球病巣
解答例<1>

第109問失語症を最も生じやすいのはどれか。

  1. 前大脳動脈領域の梗塞
  2. 中大脳動脈領域の梗塞
  3. 後大脳動脈領域の梗塞
  4. 前・中大脳動脈の境界領域梗塞
  5. 中・後大脳動脈の境界領域梗塞
解答例<2>

第110問ブローカ失語でみられないのはどれか。

  1. 発声障害
  2. 呼称障害
  3. 理解障害
  4. 復唱障害
  5. 書字障害
解答例<1>

第111問書字障害を生じやすい病巣はどれか。

a.左角回

b.左帯状回

c.左海馬傍回

d.左中側頭回前方

e.左中前頭回後方

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<2>

第112問読字障害を生じにくい病巣はどれか。

a.左後頭葉 

b.左ウェルニッケ領域 

c.左ブローカ領域 

d.左側頭葉内側面 

e.左前頭葉底面

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<5>

第113問保続を示すのはどれか。

a.語性錯語

b.語間代

c.再帰性発話

d.同語反復

e.反響言語

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<4>

第114問失書について正しいのはどれか。

a.失読に伴ってしか現れない。

b.文字のイメージは喚起できるが運動に変換できない。

c.左手利きでは右半球損傷で生じる。

d.漢字と仮名とで差を生じることがある。

e.右手と左手とで差を生じることがある。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<5>

第115問高次脳機能障害に最も多く認められるのはどれか。

  1. 意識障害
  2. 感情障害
  3. 症状変動
  4. 人格変化
  5. 自発性低下
解答例<5>

第116問急性期脳損傷患者で見当識と数唱とが障害されているときに考えられるのはどれか。

  1. 前向性健忘
  2. 逆向性健忘
  3. 痴呆
  4. 地誌的見当識障害
  5. 全般的注意障害
解答例<5>

第117問正しいのはどれか。

  1. 視覚性失認では認知障害が視覚モダリティーに限られる。
  2. 観念運動失行では検査時と日常生活とできない動作が一致している。
  3. 口・顔面失行では口頭命令に対する閉眼が障害される。
  4. 半側空間無視では対象の半分が見えないと訴える。
  5. 前向性健忘では即時記憶が障害される。
解答例<1>

第118問本や新聞の読みが障害されるのはどれか。

a.Balint症候群

b.脳梁雛断症候群

c.Gerstmann症候群

d.構成障害

e.半側空間無視

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<2>

第119問大脳半球損傷で片麻痺がないとき主に一側上肢に症状が現れるのはどれか。

a.運動無視

b.肢節運動失行

c.観念運動失行

d.観念失行

e.半側空間無視

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<1>

第120問脳梁離断症状で左手に生じるのはどれか。

a.失書

b.触覚性呼称障害

c.観念運動失行

d.肢節運動失行

e.構成障害

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<1>

第121問合併することが多い組み合せはどれか。

a.純粋失読  ーー   色名呼称障害 

b.観念失行  ーー   地誌的見当識障害 

c.相貌失認  ーー   聴覚失認 

d.病態失認  ーー   半側空間無視 

e.前向性健忘  ーー   逆向性健忘

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<3>

第122問失語症検査の3大目的はどれか。

a.失語症の有無とタイプの判定

b.言語治療の手掛かりの取得

c.障害構造の推定

d.予後の判定

e.言語症状の継時的変化の把握

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<2>

第123問正しい組み合せはどれか。

a.標準失語症検査(SLTA)  ーー  反応の7段階評価

b.失語症鑑別診断検査  ーー  重症度の4段階尺度化

c.WAB失語症検査  ーー  大脳皮質指数(CQ)の算出

d.単語のモーラ分解・抽出能力検査  ーー  音韻操作能力の評価

e.発語失行症検査  ーー  発声発語器官の機能評価

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<5>

第124問失語症タイプの臨床的判定に有用なのはどれか。 

a.聴覚的理解 

b.読みの理解 

c.短文の書き取り 

d.発話の流暢性 

e.復唱

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<3>

第125問失語症者の「能力障害」に対する実用的コミュニケーション重視の訓練法はどれか。 

a.PACE(Promoting Aphasics’ Communicative Effectiveness) 

b.代替コミュニケーション(AAC) 

c.言語理解・表出ストラテジーの獲得訓練 

d.遮断除去法(deblocking) 

e.プログラム学習法

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<1>

詳細第3回

第126問AACについて誤っているのはどれか。

  1. AAC能力の開発・促進を通じて生活活動への参加度を高める。
  2. 複数のAAC手段からなるコミュニケーション・システムの開発を目指す。
  3. コミュニケーション・パートナーの役割を本人の役割と同様に重視する。
  4. 本人のコミュニケーション・ニーズや興味の範囲の拡大を図る。
  5. ジェスチャーや描画に比べてハイテク機器の使用はより良い効果を生む。
解答例<5>

第127問後天性小児失語症について正しいのはどれか。

  1. 右半球損傷に起因する例が多い。
  2. 側頭葉を含む言語野後部の損傷例も出現する。
  3. 流暢な錯文法的発話は出現しない。
  4. 言語の理解面は保存される。
  5. 新造語やジャルゴンを示さない。
解答例<2>

第128問発達性言語障害と知的障害とを鑑別する上で最も重要なのはどれか。

  1. 社会性
  2. 発 語
  3. 言語理解
  4. 粗大運動
  5. 微細運動
解答例<1>

第129問自閉症の言語症状について誤っているのはどれか。

  1. 純粋語聾がある。
  2. 独り言がある。
  3. 代名詞の逆転がある。
  4. 語用論上の障害がある。
  5. 反響言語がある。
解答例<1>

第130問1歳6か月児健康診査において「精神・言語発達上問題なし」とされるのはどれか。

  1. 視線が合わない。
  2. 哺乳ビンで飲んでいる。
  3. 母親に甘えてこない。
  4. 単語が5個話せる。
  5. 後ろから名前を呼んだときに振り向かない。
解答例<4>

第131問正しいのはどれか。

  1. 妊娠中の遺伝子診断によって言語発達障害のスクリーニングが可能である。
  2. 在胎時の異常は言語発達障害をきたさない。
  3. 周生期の異常は言語発達障害をきたさない。
  4. 発達性言語障害(特異的言語発達障害)から自閉症に進展することはない。
  5. 発達性言語障害(特異的言語発達障害)の原因として母親との接触不足がある。
解答例<4>

第132問ことばの発達に関係ないのはどれか。

  1. 「イナイイナイバー」をすると喜ぶ。
  2. 「バイバイ」、「オツムテンテン」などの模倣をする。
  3. ひとりで歩ける。
  4. 指さしをする。
  5. ボールのやり取りをする。
解答例<3>

第133問精神・言語発達の検査法について正しいのはどれか。

  1. 田中ビネー式検査は言語面と視覚認知面とで評価する。
  2. デンバー式発達スクリーニングテストでは発達指数で評価する。
  3. 乳幼児精神発達診断法(津守・稲毛)では小児への問診で評価する。
  4. S-S法では言語行動を記号形式-指示内容関係と基礎的プロセスとで評価する。
  5. ウェクスラー知能検査は言語性と動作性とで評価する。
解答例<5>

第134問3歳児の発達について誤っているのはどれか。

  1. 二語文がみられる。
  2. 丸の大きさの比較ができる。
  3. 積み木4個でトラックの形をまねして作る。
  4. 三輪車をこげる。
  5. スキップができる。
解答例<5>

第135問言語発達障害への対応について正しいのはどれか。

  1. 言語理解より発語を促す方針が望ましい。
  2. 自閉症には保育園通園は好ましくない。
  3. 精神発達が境界程度の場合は障害児施設への通園が適している。
  4. 表出性発達性言語障害(特異的言語発達障害)には保育園または幼稚園通園が適している。
  5. 受容-表出混合性発達性言語障害(特異的言語発達障害)には障害児施設への通園が適している。
解答例<4>

第136問知的障害による言語発達障害で常にみられるのはどれか。

  1. 摂食の障害
  2. 聴覚障害
  3. 理解の障害
  4. 発声障害
  5. 構音の障害
解答例<3>

第137問特異的言語発達障害の言語表出が遅れるタイプを示唆する家族の訴えで多いのはどれか。

  1. 話しかけを無視する。
  2. ことばを理解できない。
  3. 話そうとすると声が出なくなる。
  4. 分かっているのに言えない。
  5. 発音がおかしい。
解答例<4>

第138問単語を理解できない子どもにも適した言語検査はどれか。

  1. ITPA
  2. S-S法
  3. PVT
  4. K-ABC
  5. ことばのテスト絵本
解答例<2>

第139問前期構文(二語文)の指導・訓練について適切でないのはどれか。

a.動作主と行為、動作とその対象の理解に留意する。

b.聴覚的記銘力を伸ばす。

c.上位語(類名)や数の学習を併行して行う。

d.絵に対して構文パターンを反復して聞かせ暗記させる。

e.動作主(主語)が言えるのに述語が出ないときは言語化して聞かせる。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<4>

第140問語用論的アプローチはどれか。

a.シェイピング法

b.インリアル法

c.機会利用型指導法

d.共同行為ルーティン法

e.絵カード呼称法

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<4>

第141問AACでないのはどれか。

  1. ひらがな
  2. マカトン・サイン
  3. サウンズ・アンド・シンボルズ
  4. 手 話
  5. NSL 86/88
解答例<1>

第142問誤っている組み合せはどれか。

  1. AAMR  ーー  アメリカ母子関係学会
  2. AD/HD  ーー  注意欠陥/多動性障害
  3. PVT  ーー  絵画語彙発達検査
  4. SLI  ーー  特異的言語発達障害
  5. LAD  ーー  言語獲得装置
解答例<1>

第143問自閉性障害の診断基準(DSM-Ⅳ)に含まれないのはどれか。

  1. 対人的相互反応における質的な障害
  2. 意志伝達の質的な障害
  3. 自傷、他害を含む強度の行動障害
  4. 興味の限局、反復的で常同的な行動
  5. 3歳以前に始まる機能の異常
解答例<3>

第144問脳性麻痺による言語発達障害について誤っているのはどれか。

  1. 摂食障害を伴う例が多い。
  2. 構音指導では全身的な運動発達に配慮する。
  3. AACの導入が有効に働く例は少ない。
  4. 養育の困難さが日常の母子のやりとりを阻害する。
  5. QOLの向上を図ることが言語指導とともに重要である。
解答例<3>

第145問特異的言語発達障害について正しいのはどれか。

a.知能障害を持つ児がみられる。

b.視覚性認知機能に遅れがみられる。

c.「特異的」という用語は「軽度」と同義である。

d.表出性と受容-表出混合性とのタイプがある。

e.学童期になって学習障害をきたす例が多い。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<5>

第146問言語発達障害の臨床で継続観察を要する理由はどれか。

a.子どもの体調によって結果が変動する。

b.発達に伴い状態像が変化する。

c.治療の効果によって大きく改善する場合がある。

d.検査者が検査法の選択を誤ることがある。

e.保護者からの生育歴の情報には記憶違いが多い。

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<1>

第147問子どもの言語治療における最近の動向として正しいのはどれか。

a.新生児医療の進歩による障害特徴の変化 

b.言語障害の神経心理学的理解の深まり 

c.「子どもからことばを引き出す」アプローチ 

d.語彙や統語のような言語要素を重視した訓練 

e.非音声言語刺激を用いた意思伝達法の形成

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<2>

第148問声帯ポリープについて誤っているのはどれか。

  1. 声帯の前中1/3の境界部に発生する。
  2. 両側同時に発生するのが特徴である。
  3. 声帯の出血が原因となる。
  4. 声帯の振動に障害を与える。
  5. 音声外科の対象となる。
解答例<2>

第149問喉頭ファイバースコープについて誤っているのはどれか。

a.口腔経由で行われることが多い。

b.硬性鏡より画質が良好である。

c.硬性鏡より咽頭反射を起こしやすい。

d.会話や歌唱時の喉頭観察が可能である。

e.グラスファイバーで画像が作られる。

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<1>

第150問ポリープ様声帯について誤っているのはどれか。

a.若い女性に多い。

b.癌化することがある。

c.両側性であることが多い。

d. 喫煙との関係が濃厚である。

e.呼吸困難を呈することがある。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<1>

第151問音声治療の適応でないのはどれか。

  1. 習慣的な声の濫用
  2. 音声外科術後の治癒過程
  3. 声門閉鎖不全症
  4. 喉頭悪性腫瘍
  5. 過緊張性発声障害
解答例<4>

第152問声の衛生の指導について誤っているのはどれか。

  1. 咳払いを禁止する。
  2. 話す時間を制限する。
  3. 風邪を引かないようにする。
  4. ささやき声で話すようにする。
  5. マイクロホンを使用して話す。
解答例<4>

第153問無喉頭音声について正しいのはどれか。

a.食道発声は食道に取り込んだ空気を使う。

b.食道発声は会話に際し両手を用いなくても可能である。

c.笛式人工喉頭は肺からの空気を使う。

d.電気式人工喉頭は駆動力として空気が必要である。

e.電気式人工喉頭では最も抑揚のついた音声が得られる。

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<1>

第154問気管切開(気切)について正しいのはどれか。

a.目的は気道確保、補助呼吸である。

b.緊急時以外には行わない。

c.カニューレを気道内に固定するためカフを着ける。

d.人工呼吸器に依存する場合は音声が得られない。

e.喉頭機能が正常ならばバルブなどによって音声の確保ができる。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<2>

第155問誤っている組み合せはどれか。

  1. 口蓋裂(様)構音障害  ーー  音の誤りの固定習慣化
  2. 器質性構音障害   ーー  代償的構音
  3. 脳性麻痺に伴う構音障害  ーー  非進行性不随意運動
  4. 運動障害性構音障害  ーー  構音器官の運動制限
  5. 機能性構音障害   ーー  鼻咽腔閉鎖不全
解答例<5>

第156問機能性構音障害の評価項目はどれか。

a.一貫性

b.被刺激性

c.適応効果

d.流暢性

e.音韻性錯語

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<1>

第157問鼻咽腔構音について正しいのはどれか。

  1. 母音の種類による出現頻度の違いはない。
  2. 鼻咽腔閉鎖機能不全では出現しない。
  3. 子音部分でも出現する。
  4. 機能性構音障害では出現しない。
  5. 鼻息鏡ではその有無が検出できない。
解答例<3>

第158問「コップ」を/toQpu/と言った場合の/k/を生成させる方法として適切なのはどれか。

a.ブローイングによって呼気の操作を教える。

b.舌打ちの動作を行って舌の動きを滑らかにする。

c.舌庄子で前舌面を軽く押さえて構音する。

d.口を開いて[■]と言わせ、軟口蓋と舌との接触を図る。(注:■は鼻濁音[ガ]の音声表記)

e.正しい構音をテープレコーダーで繰り返し聞かせる。

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e
解答例<5>

第159問訓練した音の般化を促進させるための構音訓練上の留意点はどれか。

a.訓練を系統的なプログラムで実施する。

b.家庭では構音の練習をしない。

c.単語での訓練は語頭、語中、語尾における生成を同時に始める。

d.文章での練習では注意深くゆっくり構音させる。

e.発話速度を増加して正確に構音させる。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<2>

第160問構音障害を起こさないのはどれか。

a.アフ夕性舌炎

b.舌進展癌

c.舌癒着症

d.舌下神経損傷

e.地図状舌

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<2>

第161問開鼻声を呈する疾患でないのはどれか。

  1. 重症筋無力症
  2. 軟口蓋麻痺
  3. アデノイド
  4. 粘膜下口蓋裂
  5. 眼咽頭筋ジストロフィー
解答例<3>

第162問口蓋裂手術におけるプッシュバックの目的はどれか。

  1. 嚥下の改善
  2. 披裂部の閉鎖
  3. 鼻呼吸の改善
  4. 口蓋の閉鎖
  5. 鼻咽腔の閉鎖
解答例<5>

第163問舌癌の術後機能に影響を与えないのはどれか。

  1. 年齢
  2. 性別
  3. 病期分類
  4. 再建材料
  5. 手術からの期間
解答例<2>

第164問正しい組み合せはどれか。

  1. 筋萎縮  ーー  運動低下性構音障害
  2. 軟口蓋反射亢進   ーー  弛緩性構音障害
  3. 変換運動障害   ーー  失調性構音障害
  4. 固縮  ーー  運動過多性構音障害
  5. 不随意運動  ーー  痙性構音障害
解答例<3>

第165問痙性構音障害の発話症状はどれか。

a.努力性声質

b.声のふるえ

c.音の繰り返し

d.調音のくずれの不規則性

e.発話速度低下

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<2>

第166問正常嚥下時に認められないのはどれか。

  1. 食塊形成
  2. 鼻咽腔閉鎖
  3. 喉頭挙上
  4. 喉頭閉鎖
  5. 胸腔内圧上昇
解答例<5>

第167問誤っているのはどれか。

  1. 咽喉頭内視鏡検査は咽頭や鼻腔の腫瘍性疾患の発見に有用である。
  2. 咽喉頭内視鏡検査で嚥下時の喉頭所見を検討できる。
  3. 咽頭造影エックス線検査で嚥下圧の測定が可能である。
  4. 誤嚥がある場合、胸部エックス線検査は必須である。
  5. 下咽頭食道造影エックス線撮影は動画として見ることが重要である。
解答例<3>

第168問嚥下の運動神経として重要なのはどれか。

  1. 舌咽神経
  2. 反回神経
  3. 上喉頭神経内枝
  4. 上喉頭神経外枝
  5. 横隔神経
解答例<2>

第169問嚥下第2期に収縮しない筋はどれか。

  1. 口蓋帆挙筋
  2. 胸骨甲状筋
  3. 茎突舌骨筋
  4. 甲状舌骨筋
  5. 甲状咽頭筋
解答例<2>

第170問高齢者の嚥下障害について誤っているのはどれか。

  1. 神経機能低下による感覚異常
  2. 靭帯のゆるみによる喉頭の低位
  3. 咽頭反射の減弱
  4. 輪状咽頭筋の弛緩
  5. 頚椎骨棘増殖による食道の圧迫
解答例<4>

第171問嚥下障害の原因とならないのはどれか。

  1. 下咽頭癌
  2. 喉頭麻痺
  3. 喉頭肉芽腫
  4. 食道入口部筋の過緊張
  5. 特発性食道拡張症
解答例<3>

第172問嚥下機能検査でないのはどれか。

  1. 下咽頭のpHの測定
  2. 放射性同位元素による検査
  3. 超音波検査
  4. 咽頭圧測定
  5. 筋電図検査
解答例<1>

第173問嚥下訓練開始の条件で誤っているのはどれか。

  1. むせを訴えなければ開始する。
  2. 意識が清明である。
  3. 意志の疎通が図れる。
  4. 口から食べたいという意欲がある。
  5. 自力で空咳ができる。
解答例<1>

第174問吃音の病因論について誤っている組み合せはどれか。

  1. 大脳半球優位説   ーー  Travis
  2. 診断起因説  ーー  Darley
  3. 予期闘争説  ーー  Sheehan
  4. タイミング障害説   ーー  Van Riper
  5. 要求能力不一致説  ーー  Andrews
解答例<2>

第175問吃音の症状について正しいのはどれか。

  1. 声の高さや強さの急激な変化が起こらない。
  2. 音の繰り返しは子音部分では起こらない。
  3. 音の引き伸ばしは語頭のみで起こる。
  4. ブロックは喉頭のレベルでは起こらない。
  5. 随伴症状は初期の段階から起こる。
解答例<5>

第176問学童期吃音の特徴で正しいのはどれか。

  1. 個人差が少ない。
  2. 幼児期吃音に比べて症状が進展することはない。
  3. 教師・友人との交流、授業中の体験は吃音に影響しない。
  4. 家庭や学校に対する環境調整は行わない。
  5. 本人と吃音についての話し合いが可能である。
解答例<5>

第177問新生児の聴力スクリーニングに役立つのはどれか。

a.聴性脳幹反応検査

b.耳音響放射検査

c.自記オージオメトリ

d.耳小骨筋反射

e.蝸電図検査

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<1>

第178問聴性行動反応聴力検査(BOA)で正しいのはどれか。

a.スピーカーで聴かせる。

b.3歳児に用いる。

c.被検児に音源が見えないようにする。

d.ワーブルトーンを用いる。

e.被検児の反応は一定している。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<4>

第179問CORテストで正しいのはどれか。

  1. 十分な条件づけが必要である。
  2. 新生児から適応がある。
  3. 検査音はクリックを用いる。
  4. 受話器を被検児に装着する必要がある。
  5. 睡眠導入薬を投与する。
解答例<1>

第180問聴性脳幹反応検査による聴力推定で最も有用なのはどれか。

  1. Ⅰ-Ⅲ波間潜時
  2. Ⅲ-V波間潜時
  3. Ⅳ波の閾値
  4. V波の閾値
  5. Ⅵ波の閾値
解答例<4>

第181問ウイルスによる難聴はどれか。

  1. 家族性内耳性難聴
  2. ワールデンブルグ症候群
  3. ペンドレッド症候群
  4. 色素性乾皮症
  5. ムンプス難聴
解答例<5>

第182問聴覚障害児の言語力の評価方法で誤っているのはどれか。

  1. 乳幼児精神発達診断法(津守・稲毛)
  2. MRIによる画像診断
  3. ITPA言語学習能力検査
  4. 新版K式発達検査
  5. ビデオ録画による観察
解答例<2>

第183問聴覚障害児教育で用いられる言語メディアでないのはどれか。

  1. 同時法
  2. 手指法
  3. 聴覚口話法
  4. ウェファーメソッド
  5. キュードスピーチ
解答例<4>

第184問聴覚障害児とのコミュニケーションを育てるための親への指導で適切でないのはどれか。

  1. コミュニケーション手段の共有
  2. 子どもの表現のフィードバック
  3. 正確な発話の要求
  4. 適切なアイコンタクト
  5. 共感的コミュニケーション態度
解答例<3>

第185問聴能訓練に含まれないのはどれか。

  1. 音の有無の認知
  2. 発音の修正
  3. 音の違いの弁別
  4. 語音の識別
  5. 環境音の意味の理解
解答例<2>

第186問伝音難聴を詳しく調べるために用いられる検査はどれか。

  1. 純音聴力検査
  2. 語音聴力検査
  3. ティンパノメトリー
  4. アブミ骨筋反射
  5. 音叉検査
解答例<3>

第187問語音聴力検査について正しいのはどれか。

  1. 伝音難聴では音を強くすれば明瞭度は上がる。
  2. 内耳性難聴では音を強くしても明瞭度は上がらない。
  3. 後迷路性難聴では難聴の程度に従って明瞭度が変化する。
  4. 標準的な検査では単語を用いる。
  5. 標準的な検査では文章を用いる。
解答例<1>

第188問老人性難聴について正しいのはどれか。

  1. 後迷路障害である。
  2. 補充現象は陰性である。
  3. 高音障害漸傾型を呈する。
  4. 一側性である。
  5. ウイルス感染が多い。
解答例<3>

第189問不可逆性の聴覚障害を呈するのはどれか。

a.滲出性中耳炎

b.先天性風疹症候群

c.内耳奇形

d.耳管狭窄症

e.外耳道閉鎖症

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<3>

第190問遺伝性難聴はどれか。

  1. 外リンパ瘻
  2. 機能性難聴
  3. 鼓室硬化症
  4. Alport症候群
  5. 耳性帯状ヘルペス
解答例<4>

第191問突発性難聴について正しいのはどれか。

a.両側性に発症する。

b.めまいを反復する。

c.聴力回復後、再度聴力が悪化する。

d.起床時に難聴に気付く。

e.原因は不明である。

  1. a、b
  2. a、e
  3. b、c
  4. c、d
  5. d、e
解答例<5>

第192問騒音性難聴について正しいのはどれか。

  1. 混合難聴である。
  2. 初期にはc5dipを認める。
  3. 補充現象は陰性である。
  4. 騒音環境離脱後も進行する。
  5. 予防に耳栓は役立たない。
解答例<2>

第193問中途失聴者への指導プログラムとして適切でないのはどれか。

  1. 発語指導
  2. 補聴器の適合調整
  3. 補聴器への適応指導
  4. 読話指導
  5. 聴覚障害への理解のすすめ
解答例<1>

第194問感音性難聴者への話し方として誤っているのはどれか。

  1. ゆっくり話す。
  2. 大声で話す。
  3. はっきり区切りながら話す。
  4. 口元を見せて話す。
  5. 雑音の少ない所で話す。
解答例<2>

第195問補聴器について誤っている組み合せはどれか。

  1. べント  ーー  高音域の出力音圧レベルの増強
  2. 誘導コイル  ーー  ループに流れる電流による磁界から起電力を発生
  3. 音響ダンパー  ーー  中音域の周波数レスポンスの調整
  4. イヤモールド  ーー  ハウリングの防止
  5. 音質調整器  ーー  周波数レスポンスの調整
解答例<1>

第196問補聴器装用について誤っているのはどれか。

  1. 紙の擦れる音がうるさいときは音質調整器で高音部の利得を上げる。
  2. ドアが閉まる時の音がうるさいときは出力制限装置を調節する。
  3. 出力音がピーピーいうときはイヤモールドを作製する。
  4. 自分の声が響くときはべントを大きくする。
  5. 会議で声が聴き取りにくいときは両耳装用を試みる。
解答例<1>

第197問人工内耳のマッピングで正しいのはどれか。

  1. 先天聾の幼児でもマッピングは容易である。
  2. Tレベルの反応はCレベルより評価しやすい。
  3. アブミ骨筋反射によるCレベルの測定は無意味である。
  4. 神経反応テレメトリー(NRT)はマッピングの作成に役立つ。
  5. 幼児のCレベルの測定において身体的反応は参考にならない。
解答例<4>

第198問人工内耳装用効果の評価と指導とで誤っているのはどれか。

  1. 装用時間は装用効果の目安の一つになる。
  2. 個一のことばの聴き取り指導よりも会話の機会を増やす。
  3. 母音の弁別能と子音の弁別能とはほぼ等しい。
  4. 構音では口蓋音が誤られやすい。
  5. 補聴器装用時に比べ摩擦音の正確さでは優れている。
解答例<3>

第199問視覚聴覚二重障害者とのコミュニケーション手段として適切でないのはどれか。

  1. 指点字
  2. 手話
  3. 拡大文字
  4. サウンズ・アンド・シンボルズ
  5. 点字
解答例<4>

第200問視覚聴覚二重障害者の社会参加に直接関係ないのはどれか。

  1. 訪問看護
  2. 盲ろう者への通訳の派遣
  3. 通訳者の養成
  4. ガイドヘルパーの派遣
  5. 盲ろう者に対するコミュニケーション技術の訓練
解答例<1>
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