STナビ

医療・福祉・介護・リハビリテーションの情報サイト:STナビ

リハビリ・医療 聴覚障害

残存聴力活用型人工内耳

投稿日:

残存聴力活用型人工内耳とは

人工内耳の対象者はこれまでは純音聴力検査による検査結果が両耳とも90dB以上の方となっていました。ですが、平成26年の人工内耳手術適応基準の改訂にともない、低音域に聴力が残っているが、高音域は重度難聴レベルの高音急墜型難聴者や高音漸傾型難聴者にも人工内耳手術が行えるようになりました。

この高音急墜型難聴者や高音漸傾型難聴者に適用されるのが、低音部は補聴器、高音部は人工内耳という1台で2つの役割の果たすハイブリット人工内耳とも呼ばれる残存聴力活用型人工内耳(EAS:electric acoustic stimulation)です。

仕組み

残存聴力活用型人工内耳の体内装置(手術で埋め込む装置)は、これまでの体内装置と比べて電極が細く柔らかいため、侵襲の少ない手術方法で埋め込むことにより低音の聴力をある程度温存することができます。また、体外に付けるスピーチプロセッサーは、補聴器の代わりとなる音響刺激と従来の人工内耳が行っていた電気刺激を同時に行うことができます。これにより、これまで補聴器を用いても言葉の聞き取りがうまくいかないにも関わらず、低音域に聴力が残っていたため人工内耳手術の対象とならなかった方でも、1台の機械で、低音域は音響刺激を用い、高音域は電気刺激を用いて言葉を聞き取ることができるようになりました。

eas1

手術の条件

手術の対象者は、両耳とも以下の条件を満たす感音難聴患者となっています。

1)純音聴力検査
・125Hz、250Hz、500Hzの純音聴力閾値が65dB以内
・2000Hzの純音聴力閾値が80dB以上
・4000Hz、8000Hzの純音聴力閾値が85dB以上
※ ただし、上記のうち1箇所が10dB以内の幅で外れる場合には対象とする。
2)補聴器装用下において静寂下での語音弁別能が65dBSPLで60%未満であること。

eas2

スポンサーリンク

スポンサーリンク



スポンサーリンク

スポンサーリンク



-リハビリ・医療, 聴覚障害
-,

執筆者:

関連記事

no image

嚥下障害のリハビリテーション(直接訓練)

嚥下障害のリハビリテーションについて 摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションには、嚥下器官へ刺激や運動を加えて間接的に嚥下を改善しようとする間接訓練(機能改善アプローチ)と姿勢や食物形態の調整、摂取 …

伝導失語

伝導失語 発話は流暢で抑揚や構音は正常ですが、音の誤りが多いことが特徴です。誤り音に対しては、自己修正を繰り返しながら正しい音に近づこうとする様子が見られますが、自己修正を繰り返すために、発話に間が多 …

聴覚障害者のコミュニケーション方法

コミュニケーション方法の種類 聴覚障害者のコミュニケーション方法において代表的なものは4つあります。手話、筆談、読話、音声(補聴器・人工内耳)です。ここでは、それぞれのコミュニケーション方法について紹 …

no image

難聴を疑うべきサイン

高齢者の難聴は、本人の自覚なく進行し、ご家族から指摘されて気づく場合も少なくありません。「難聴かも?」と感じた場合に疑うべきサインを説明します。

手話言語条例を制定している都道府県一覧

近年、国に対して「手話言語法」制定への意見が高まっています。国に先駆け、平成25年に鳥取県が「鳥取県手話言語条例」が施行しました。この動きを皮切りに、全国の自治体で独自の条例が施行されるようになりまし …