補聴援助システムとは、遠くの人の音声を補聴器に直接届けることのできる機器のことです。
例えば、広い教室での先生の声や会議室でのプレゼンなど、話者との距離が遠くなるほど声は減衰するため補聴器による集音性も低下していってしまいます。そこで有効なのが補聴援助システムです。話者がワイヤレスマイク等を使うことで、距離を無視して話者の音声を減衰せずに補聴器に直接届けることができます。これにより、いままで聞き取りにくかった広い教室での先生の声や会議室でのプレゼンなどにも参加することができるようになります。
補聴援助システムには以下のような種類があります。
- ヒアリングループ
- FM型補聴システム
- デジタルワイヤレス補聴システム
ヒアリングループ
公民館や映画館などの床にループアンテナを設置し、マイクの音を磁気に変え、その磁気を補聴器や人工内耳等が感知して直接音声を聞くシステムです。
国際的には「ヒアリングループ」という名称が使われていますが、日本では「磁気ループ」や「磁気誘導ループ」という名称が使われることも多いです。
特別な機器を用いるのではなく、補聴器や人工内耳のプログラムを「テレコイル」モードに切り替えるだけで利用できます。
※テレコイルの有無やプログラム設定はご購入いただいた販売店でお確かめください。
FM補聴システム
画像:oticon
169MHz帯のFM電波に乗せて話者の音声を直接補聴器に届ける補聴援助機器です。
主に教育現場で普及しており、先生などの話者が送信機(マイク)をもち、生徒の補聴器に受信機をとりつけて利用します。
1つの送信機で複数の受信機に同時に音声を届けることができます。
デジタルワイヤレス補聴システム
FM補聴システムに代わるものとして、新たに開発されたのがデジタル無線方式を採用したシステムです。
代表的なものが2.4GHz帯のデジタル無線方式を使用した集団補聴システム「ロジャー(Roger)」です。
教育現場はもちろん、会議等での有効性もあることから社会人からも支持されています。
また、ロジャーだけでなく、各補聴器メーカーからBluetoothを採用した無線方式の機器が数多く展開されており、例えばスマートフォンとの連携やテレビ・オーディオの音を直接補聴器に届けることができるようになりました。
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