平衡機能検査

聴覚障害

めまいの診断のために行う検査は、主に外来の診察室で医師が行うものと検査室で検査技師が行うものに分けられます。検査室で行う検査は当日可能なものと予約で行うものがあります。体の揺れを直接見る検査、眼の動きを見る検査、筋肉の反応を見る検査にわけられます。主に検査室で行う検査について説明します。

電気眼振図検査(所要時間約1時間)

眼振検査はめまいの時に見られる眼の不規則な動きである「眼振」を調べる検査です。主に三半規管の検査です。その動きを記録するのが電気眼振図です。記録するために眼の回りにいくつかの電極を貼り付けます。眼の前の動く指標を目で追ったり、耳の中に水を入れた際の眼の動きを記録します。検査の時には部屋を暗くすることがあります。

左右の眼の外側と、一方の眼の上下と額に電極をはりつけるだけで、眼の左右、上下への動きが記録できます。

こうして、左右、上下を見た時、眼をおおったとき、眼を閉じたときの状態での眼振の有無を記録します。つぎに、眼がスムーズに動くかとか、眼の運動が十分早くできるかなどを検査しながら記録します。眼のスムーズな動きの検査は、眼の前にある白い点が左右にゆっくり動くのを眼で追うことで検査します(視標追跡検査)。正常ですと眼はスムーズに白い点を追うことができますが、頭の中の血管の病気とか、腫瘍などのときは、これがギクシャクした動きになります。

重心動揺計検査(所要時間約10分)

からだの揺れの状態を見る検査です。重心動揺計の上で眼を開けた状態と閉じた状態で、それぞれ60秒立ったままでその動揺を記録します。そのパターンや開眼と閉眼の差を計測します。

重心動揺検査は、めまい、平衡障害の診断を目的とした検査のひとつで、開眼時、閉眼時における直立姿勢に現れる重心の動揺を記録、分析して身体の平衡の維持に働く機能を検査するものです。この身体の平衡の維持には、視覚、内耳(前庭・半規管)、脊髄固有反射およびこれらを制御する中枢神経が関わっています。

検査は簡単で、被験者は身体に装置をつけることなく検出台に直立し、重心の動揺を記録、自動分析します。被検者が検出台にのって測定する時間は原則として1分間です。これをまず開眼で行い、次に閉眼で行います。
この検査で、平衡障害の客観的把握、および障害の程度の把握ができます。また、平衡障害の原因が内耳にあるのか(耳からくるめまい)、中枢にあるのか(脳からくるめまい)の鑑別がグラフにより一目で分かるようになっていますので、病気の経過の観察、治療効果の判定ができます。

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慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPAS

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